原因は糖尿病と体内酵母
アルコールは「糖分」を「酵母」で発酵させることで作られますが、彼女の膀胱でも同様の現象が起きていました。
原因は「カンジダ・グラブラタ」という名の天然酵母です。これはもともと体内に存在する微生物の1つです。
通常の人には、わずかしか存在していない「カンジダ・グラブラタ」ですが、彼女の場合は、なぜか大量に存在していました。
もちろん「体内酵母」の量が多いだけではアルコールは発生しませんが、彼女の場合は、「糖」というもう1つの条件も偶然揃っていました。
彼女は糖尿病だったのです。糖尿病を患ってしまうと、尿に糖が含まれるようになります。
膀胱内で「糖」と「酵母」が同時存在することにより、自然に発酵してアルコールが作られてしまったのです。
医者たちは、症状を改善するために、抗真菌治療で酵母を除去しようとしましたが、その治療は失敗したようです。
また、彼女の特別な事情ゆえに、肝臓移植を再考することにしましたが、最終的に彼女がどうなったのかは、明らかになっていません。
非常に珍しい自動醸造症候群ですが、もしかしたら他の患者でも同様の条件で生じ得るかもしれません。
医師たちは、尿検査によって同様の症状の人が肝臓移植リストから排除されてしまう危険性を警告しています。