血液検査で50種類の癌を検査できる方法が開発される

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  • 人工知能にDNAの変化を学習させ、がんを発見できる。ただし、発見精度は現段階では50%ほど
  • 50種類以上もあるがんの種類を93%の確率で当てることもできる

「がん」とその検査には、たくさんの種類があります。

例えば、胃がんを調べるためには、胃X線検査や胃内視鏡検査がなされます。また、大腸がんを調べるためには、便潜血検査なども実施されます。

がん治療には早期発見が非常に大切になってきますが、すべての種類のがん検査を行うのは大変です。また、定期的な検査を行うとなると、更に負担に感じるでしょう。

最近、がん検査の複雑さを取り除く新しい検査方法が研究されています。

米国スタンフォードがん研究所のジェイコブ・J・コール氏らは、血液中のDNAを検査することにより、肺がんを検出する方法を発見しました。

そして、この研究は、他のがん検査にも応用できます。血液を人工知能に検査させることで、50種類のがんを検査することができるのです。

研究の詳細は3月25日、「Nature」誌に掲載されました。

Integrating genomic features for non-invasive early lung cancer detection
https://www.nature.com/articles/s41586-020-2140-0

また、50種類以上のがん検査の詳細は「The Guardian」誌によって紹介されています。

人工知能によるがん検査

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新しいがん検査では、血液中のDNAを検査することにより、がんを特定できます。

がんになると、血液中のDNAにメチル化異常がみられること分かっています。メチル化異常はがん抑制遺伝子を不活性化するので、がんの存在と深い関係があります。

ですから、メチル化異常に焦点を当てて検査するなら、がんを発見するだけでなく、がんの種類さえも判別可能になります。

最初に、研究者たちは、人工知能にメチル化異常のデータを学習させました。

2800人以上の患者から採取した血液サンプルによって、DNAのメチル化に関するデータを学習させたのです。

続いて、1531人のがん患者と1521人のがんではない人のデータを与え、違いを見分けることができるよう学習させました。

これらの機械学習の結果、人工知能はDNAメチル化のパターンをグループごとに分類し、どのグループがそれぞれのがんを反映しているか判別できるようになりました。

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