オルガノイドを使った疑似人体実験がなければ治療法は開発されなかった
今回の研究によって、偽ACE2はコロナ19の感染後の患者に対して、有効な治療薬になることがわかりました。
また、コロナ19が腎臓や血管のACE2に感染する能力があることも改めて証明された形です。
コロナ19の標的となるACE2は人間の肺をはじめ、十二指腸、小腸、胆嚢、腎臓、精巣、そして心臓にも存在することが知られており、コロナ19が多臓器不全を引き起こして人間を死に至らしめるのも、ACE2が人間の体に広く存在するターゲットだからかもしれません。
なお、今回研究者たちは人間のオルガノイド以外に、マウスに対してもコロナ19の感染実験を行い、偽ACE2を用いた治療を試みました。
しかし不思議なことに、マウスでは偽ACE2を使った治療に効果がなかったようです。
バイオテクノロジーの発展によって、人工臓器（オルガノイド）作成技術が進歩していなければ、偽ACE2を使った治療法も見逃されるところだったかもしれませんね。
reference: sciencedaily / written by katsu
