数学的難問「ABC予想」がついに解明!ABC予想の基本と成果をやさしく解説してみた

mathematics 2020/04/03
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  • ABC予想が8年の査読を経てようやく論文誌掲載へ
  • ABC予想の証明は既存の定理を証明するだけでなく未知の定理や法則も内包している
  • 証明に使われた「宇宙際タイヒミュラー理論」では数学の常識が破壊されていた
  • ABC予想の証明にはSF的な未来を構築する理論が含まれているかもしれない

京都大学の望月新一氏によって、数学界で最大の問題であると言われる「ABC予想」が解明されました。

実は証明自体は2012年に「nature」に提出されていたのですが、理論があまりにも難解で、検証に8年もかかっていたとのこと。

「ABC予想」のスゴいところは、証明することができれば、既知のあらゆる数学理論を説明するだけでなく、まだ発見されていない数学理論の証明にもつながるという点です。

フェルマーの最終定理の証明は、フェルマーの最終定理しか証明しませんでしたが、「ABC予想」が証明された場合、フェルマーの最終定理はただちに証明されるほか、

トゥエ=ジーゲル=ロスの定理、モーデル予想(ファルティングスの定理)、エルデシュ=ウッズ予想、非ヴィーフェリッヒ素数が無数個存在すること、弱い形のマーシャル・ホール予想、フェルマー=カタラン予想など…

既存のあらゆる数学的な問題に対して、等しく証明を与えることになります。

それどころか「ABC予想」は、まだ存在が知られていない無数の定理に対しての証明にもなっていることが予想されるのです。

アインシュタイン一般相対性理論があらゆる物理理論の基礎になっているように、「ABC予想」は無数の公式の母となる力をもっているのです。

では次は、ABC予想が一体どんなものかを説明したいと思います。

カンタン?なABC予想解説!

Credit: Nazology編集部

ABC予想とは、3つの自然数の特別な関係を証明したものになります。

予想がどのようなものであるかを理解するには「rad」という、簡単な概念を理解するだけで十分です。「rad(●)」とは、「●の部分にある数字の中にある素数だけを掛け合わせて下さい」という記号で、「根基 (radical) 」の略です。

大丈夫です。すごーく簡単で、簡単すぎることをなんでこんなに難しく書くんだ? と問いたくなるレベルですから。

ではまずは、「rad(8)」を例にとります。

8は2の3乗なのでrad(8)はrad(23)と書き直すことができます。

ここまでは、大丈夫ですよね?

流石に8=23がわからない人は…いません、よね?

このときrad(23)の答えは、乗数を無視して「2」になるんです。

rad(23)=「2」

え、それだけ?

と思うかもしれませんが、「rad」はそれだけの簡単な概念なのです。

同じように、

rad(25)はrad(52)となり、答えは乗数を無視した「5」になります。

またrad(50)など乗数だけでは表せないものについては、掛け算の組み合わせに分解します。

つまり…

rad(50)=rad(25×2)=rad(52×2)となり、あとは乗数を無視して掛け算(5×2)を行い、rad(52×2)=5×2=10となります

またrad(45)のときは…

rad(45)=rad(9×5)=rad(32×5)=3×5=15

になります。

さて、radがわかったところで、いよいよABC予想の根幹を示します。ABC予想とは、3つのa,b,cという数が、任意(適当)の数「ε」のもとに、

という数を満たす「a,b,cの組み合わせが、ほんの数個しかないことを証明する問題」だったのです。

radの次のカッコの中に「abc」と固まっている部分は「a×b×c」という意味です。

一見すると、簡単に証明できそうですね。

でも、誰も証明できなかったんです。そう、望月教授を除いては。

望月教授がABC予想を解くために使った「宇宙際タイヒミュラー理論」

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望月教授がABC予想をとくにあたって使った手段は「0から新しい理論をつくること」でした。

誰も解けないABC予想を解くには、誰も知らない新しい理論を使うしかない、との判断です。

この「宇宙際タイヒミュラー理論」なのですが…いろいろぶっとんでいます。

宇宙際タイヒミュラー理論の世界では、足し算と掛け算はつながらない宇宙が想定されます。

私たちの住む宇宙では、足し算を複数回行えば、掛け算と同じ結果になる、との常識で動いています。

ですが宇宙際タイヒミュラー理論の世界では、

「2+2+2=6」と「2×3=6」

の関係に亀裂が入り、足し算を複数回行っても掛け算になりません。

宇宙際タイヒミュラー理論では、私たちがこれまで信じて行ってきた数学的な常識が全て破壊されます。

そのため宇宙際タイヒミュラー理論は、数学的な常識の世界に対する「メタ発言」「メタ的立場」のような存在であるのではと考えられます。

また別の数学者は、「この理論は複数の宇宙で計算を行う理論である」とも表現しています。

望月教授は「ABC予想」に、この強烈な宇宙際タイヒミュラー理論を使って立ち向かい…そして証明に成功したのです。

ABC予想は科学を新たな次元に押し上げる

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通常、全く新しい定理や法則が発見されると、間違いなく、数学界のノーベル賞と呼ばれるフィールズ賞を受賞することになります。

しかし望月教授が証明した「ABC予想」は、無数の定理と法則を内包しています。その数は潜在的な数を合わせれば、10や100では足りません。

もしフィールズ賞が複数回受賞できるなら、望月教授はフィールズ賞のメダルでオセロが可能になるでしょう。

これからしばらくの間は、定理と法則の母となったABC予想に数学者が挑み、未知の定理を抽出する作業が進行すると思われます。

その中には、SF世界でしか実現できなかった技術を可能にする者もあるかもしれません。

まさに、人類の科学を新たな次元に押し上げたと言えるでしょう。

超難問「フェルマーの最終定理」証明の最重要人物である日本の数学者が死去

reference: wikipedia / written by katsu
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