星のソムリエ®が選ぶ、今月の星の見どころベスト3【2020年5月】

report 2020/05/01

現在、日没すぐの西の空は、金星と冬の星座で明るい星が勢ぞろいです。日に日に早く沈むようになり、主役の座を降りようとしていますね。

今年も春の星座の観測シーズンが到来しています。

筆者も例年なら、観望会で実際の星を見ながら解説をしていたはずですが、新型コロナウイルスの影響により、できないのが残念なところ。

とはいえ、こんな外出自粛の状況でも、ベランダや庭先、買い出しの帰りに天体観測は楽しむことができます。

そこで自宅からでも「気軽に観測できる」ことにフォーカスして、星のソムリエ®が選ぶ、今月の星の見どころベスト3【2020年5月】をご紹介します。

Best3.5月~:夜の時間にお帰り! 木星の観測シーズンが始まるよ

Credit: NASA

夜更かしをして、午前1時過ぎにふと空を見ると、東の空から昇ってきている明るい星。「なんだあの星は…!」と驚くことでしょう。

その星は、木星です。この数か月、観測に適した時間は早朝でしたが、昇る時間が日々早くなり、とうとう夜に見える時期がやってきました。

「天文現象、気になるけど早起きは無理…夜更かしならいけるのに」という声も聞こえていたので、宵っ張りの方に朗報ですね。

木星を見るなら、周囲をまわるガリレオ衛星も観測したいもの。以前の記事でご紹介したとおり、手軽に双眼鏡でも見ることができます!

ただ、どうせ見るなら4つの衛星がいずれも隠れておらず、きれいな間隔で見えるときがいいですよね。

下の図のように、地球からだと「円盤」を上からでなく、横から見るようなものなので、実際は木星の遠くにある衛星が木星の近くにあるように見えることもありますからね。

Credit: ofugutan

このことにより、衛星同士が重なったり、木星に隠れたりして3つ全部見えないこともあります。

木星が見えやすい高度になる午前2時頃に観測するなら、オススメは、5月1日5月10日、17日、24日です。

実際に木星から近い位置に周っているとおりに、木星から近い順に「イオ」「エウロパ」「ガニメデ」「カリスト」と見ることができますよ。

Credit: ofugutan

3位にした理由

Good!:簡単に楽しめる。観望会があれば「夜中に見える明るい星って何?」と質問される方がいそうなので紹介しました。

Bad!:特になし。

Best2.12日(火)~16日(土)月が木星、土星、火星に接近する

先月の「4月の星の見どころベスト3」で、前月(3月の星の見どころベスト3)の実際の観測レポートを掲載しています。

そのときは土星、木星、火星の順で3惑星の位置がぎゅっと近づいていて、月も加えて豪華な共演をしていました。

今月も、惑星と月の並びが見られます。木星と土星が火星をすっかり追い越して、3つの惑星の位置はちょっと離れましたが、木星はマイナス2等、土星は1等、火星は0等と明るさを増しています!

Credit: 国立天文台

観測時刻は3時頃なので、ちょっと夜更かしを頑張る必要がありますが、木星を観察しているうちに昇ってくることでしょう。

なお、月が土星と木星に近づくのは13日(水)ですが、3惑星と下弦の月でバランスの良い4天体の並びを見るなら、14日(木)がベストですね。幻想的な三日月と火星が近づくのを見たいなら、15日(金)、16日(土)に挑戦しましょう。

2位にした理由

Good!:夜更かし派も早起き派も挑戦できそう。今から見ておくと、惑星が今後ますます明るくなっていくのが実感できる。

Bad!:時間が夜更かし派も早起き派も少々頑張る必要あり(16日は休日だから観測しやすそう)。

Best1.22日(金)金星と水星が大接近。24日(日)は細い三日月も加わる

夕方西の空に見える「宵の明星」、金星もそろそろ見納め。5月はぐっと高度が下がり、沈むのが早いのを実感すると思います。

6月4日には地球、金星、太陽と直線に並ぶ「内合」となり、いったん見えなくなります。その後は明け方の空に見える「明けの明星」のターンになりますよ。

そんな「宵の明星」の有終の美として、5月22日(金)に水星と金星が1度弱まで大接近します!

握りこぶしの大きさが約10度なので、その10分の1となると指の横幅半分ほどでしょうか。「超近い」ですね。

水星が観測しにくいのは、「コペルニクスも見たことがなかった説もある」と以前の記事で紹介したとおり。

実際、「2月の星の見どころベスト3」をきっかけに観測に挑戦して、「生まれて初めて水星を見た」という声も多く聞かれました(そのときのレポートはこちら)。

前回見られなかった方も、金星を目印に見つけやすいので再チャンスですよ。

Credit: 国立天文台

暗くなるほうが星は見えやすくなるいっぽう、高度は下がって見えにくくなるので、日の入りの時間から観察をしていくと良いでしょう。

ちなみに、倍率の高い望遠鏡で見ると、同一視野に細い三日月状の金星と、半月状の水星が並んでいるのを見ることができるのだとか。

また、24日(日)には細い三日月も近くに並び、3天体の共演が見られます。こちらは低倍率の望遠鏡があれば、金星と月で「W三日月(極細)」が楽しめそう。

1位にした理由

Good!:機会の少なさと美しさ、肉眼でも楽しめる見えやすさの総合点による。

Bad!:高度が低いので、西の空がひらけた場所をあらかじめおさえておく必要あり。水星を探す場合は双眼鏡の使用を推奨。

以上、今月の星の見どころベスト3【2020年5月】でした。

先月の「ベスト3」実際にどう見えた? レポート

さて、4月の「星の見どころベスト3」の観測結果について、ご報告します。

まずはBest3にあげていた「スーパームーン」。各地で天候に恵まれて、SNSにポストされていた方も多く、盛り上がっていました。

満月の瞬間が4月8日午前11時35分で日中ということで、日本では4月7日夜から8日の明け方が観察の狙い目。

そこで、筆者は4月7日の夜遅くに撮影を行いました。非常に明るいので、かなり露出を暗く抑えています。

Credit: ofugutan(2020年4月7日23時30分頃に撮影)

Best2に挙げていた、4月28日の金星が最大光度のときと、26日の三日月との接近は天候に恵まれませんでしたが、1日前の25日に観測を行いました。

Credit: ofugutan(2020年4月25日18時30分頃に撮影)

このとき金星を望遠鏡で観測しましたが、地球に近づいているので以前より大きく見え、三日月状に欠けているのも確認できました。

そして、なんと言ってもBest1に挙げていた「金星とプレアデス星団の接近」です。連日晴れの日に恵まれたので、数日にわたる観測に成功しました!

金星がプレアデス星団を通過していくのがわかります。

Credit: ofugutan(2020年4月2日に撮影)なお、左上の特徴的なVのような星並びはヒヤデス星団。
Credit: ofugutan(2020年4月4日に撮影)
Credit: ofugutan(2020年4月5日に撮影)

4月3日は筆者のところでは雲がかかって写真にとれず、星のソムリエ®仲間から以下を提供してもらいました。

双眼鏡で観察した場合は、こちらに近いです。プレアデス星団と金星だけ目立って見えました。

Credit: 吉倉久美子(2020年4月3日に撮影)

また、望遠鏡で観察すると、こんな感じに。細かな星々もたくさん見えて、まるでプレアデス星団の「団員」が増えたようできらびやかです。

ちなみに「4月の星の見どころベスト3」で「4時起きがキツイ」からと選外にした、「惑星の並び」の観測にも挑戦しています。

あいにく曇っていて、肉眼だと月と木星しかわからず、カメラだと土星が火星が写ったという結果に終わりました。

Credit: ofugutan(2020年4月16日に撮影)

今月は、いよいよ金星が退場間近、代わりに木星が登場し、土星と火星が続く…ということで、夜に一気にたくさんの惑星を見るチャンスです。

来月は梅雨のシーズンに突入するので、晴れの日も多い今、ぜひ観測に挑戦してみてください。

星のソムリエ®が選ぶ、今月の星の見どころベスト3【2020年4月】

Reference: 国立天文台(1, 2), 星空年鑑2020 / written by ofugutan

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