2億年前の「イカ襲撃」の瞬間を捉えた貴重な化石を発見

history_archeology 2020/05/07
Credit: Malcolm Hart, Proceedings of the Geologists’ Association

19世紀、イングランド南部のジュラシック・コーストで、ある化石が発見されました。

その化石は2体の古代生物と判明したものの、高度な分析器具もなかったため、現代に至るまで詳しく研究されていませんでした。

しかし今回、イングランド・プリマス大学の最新研究により、その化石が古代のイカが獲物を襲撃する瞬間であると判明したのです。

さらに年代測定の末、約2億年前の「シネムーリアン期」に遡ることも分かりました。

同じような化石は以前にも見つかっていますが、その最古のものより1000万年以上も古いとのことです。

「イカ襲撃」の貴重な瞬間がここに!

化石の全体像がこちら。

Credit: Malcolm Hart, Proceedings of the Geologists’ Association

左が「Clarkeiteuthis montefiorei」という古代イカで、右が餌食となった「Dorsetichthys bechei」という魚です。

魚の頭部の骨はイカの攻撃によって完全に砕かれ、その周りにはまだ「イカの足」が絡みついています。

プリマス大学研究主任のマルコム・ハート名誉教授は「ジュラシック・コーストの地層からは、19世紀以来、古代軟体動物の化石が数多く発見されてきました。中には、古生物の生態について教えてくれるもの、例えば、今回のように捕食の様子を保存した化石も含まれています。しかし、そうした化石はごく稀にしか見つからないため、非常に貴重な資料です」と話しました。

どうやって化石になったの?

ジュラシック・コースト/Credit: Lloyd Russell, University of Plymouth

しかし、このような動的な瞬間が化石として残るのは不思議な現象に思えます。

氷河期の陸上で急に氷漬けになるならまだしも、海の中で、しかも捕食中のことです。いったいなぜ、このような瞬間が化石として残ったのでしょうか?

これについて、研究チームは、2つの仮説を提示しています。

1つは、イカの狙った魚が大きすぎてほぼ同士討ちだったか、あるいは、足が魚のアゴに引っかかってしまい、そのまま海底に引きずられて一緒に死んだ、という説です。

もう1つは、魚を仕留めたものの、他の捕食者に横取りされないよう海底深くもぐったが、酸素量が薄い水域に入ってしまい窒息死した、という説です。

確かにこれらの説なら、襲撃の瞬間を捉えたまま化石化するのにも納得がいきます。

しかし、いずれにせよこのイカは、ご馳走にあり付けないまま哀しい最期を迎えたことに変わりはないようです。

イカは生命の根本原理「セントラルドグマ」を揺るがす存在であることが判明

reference: scitechdailyphys.org / written by くらのすけ
あわせて読みたい

SHARE

TAG