「第3の腕」として使えるロボットアームが開発中! 壁もぶち抜く破壊力がスゴイ

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Credit:Université de Sherbrooke
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  • 腰に装着するロボットアームが登場
  • 実際の腕と同じ重量であり、第3の腕として装着者をサポートできる
  • 5kgの物を持ったり、バドミントンのラケットを持ってシャトルを素早く打ち返したりできる

過去に開発されてきたロボットのほとんどは、それが腕であろうと指であろうと、ゆっくりと動くものであり、用途は軽量作業に限られていました。

しかし、私たちが望んでいるのは、より人間の腕や手に近いものです。

そのような要望を満たすべく、カナダのシャーブルック大学機械工学科のキャサリン・ベロノー氏ら研究チームは、素早く動き、果物をそっと摘むこともできれば、壁をも破壊できるようなロボットアームを開発中です。

腰に取り付けられたロボットアームはまさに第3の腕として活躍してくれます。

ロボットアームの仕組み

Credit:Université de Sherbrooke

ロボットアーム自体は重さ4.2kgほどであり、実際の人間の腕とほぼ同じ重さです。

軽量ながら5kgまでの物体を持ち上げることができ、3.4m/sの早さで動かせます。

また、アームの関節と腕先の3つのツメによって多彩な動きが可能です。

動力には油圧式が採用されており、腰に装着するアーム以外にケーブルで繋いだ油圧式パワーユニットが必要となります。

Credit:Université de Sherbrooke

また、現段階では自律性がありませんので、「ロボットアームを人が操作する」必要があります。

しかし、研究チームは自律性を持たせるための研究も進めており、ロボットアームが人間の意図を汲み取って自律することを目指しています。

どんな事ができるの?

では、開発中のロボットアームは現段階でどんなことができるのでしょうか?

本物の腕に近い動きができるため様々な作業に適応できます。

Credit:Université de Sherbrooke

ロボットアームは果物を摘むという繊細な作業を装着者と並行して行えます。アームで摘んだ果物を装着差に渡して協力することも可能。

Credit:Université de Sherbrooke

さらに、ロボットアームを使用するなら梯子が必要な高所作業でも安全を保ちやすいでしょう。

装着者は梯子を両手で握りながら、ロボットアームで塗装できます。

Credit:Université de Sherbrooke

また、外壁の窓をクリーニングすることも可能です。ビルの外壁や窓の清掃にも役立ちますね。

Credit:Université de Sherbrooke

作業中に「ちょっとそれ取って」ということもなくなります。工具類は比較的重いものばかりですが、ロボットアームであれば簡単に取ってくれます。

Credit:Université de Sherbrooke

繊細な作業が得意なだけではなく、強い力で壁を破壊することも可能。先端をツメから鉄球に交換するだけでハンマーに早変わりしますね。

Credit:Université de Sherbrooke

ラケットを使ってバドミントンだって可能です。

Credit:Université de Sherbrooke

飛んでくるシャトルを打ち返すためには、タイミングを見計らって素早くアームを動かさなければいけません。最高速度3.4m/sのロボットアームだからこそ可能なのですね。

これらすべてには背後でアームを操作する人が存在しています。ですから、今後の課題はやはり「自律性」だと言えるでしょう。

研究者たちは現在でも「ドアを開ける」などの単一の行動であれば自律化できると述べています。

ただし、私たちが望んでいるのは、もっと多機能なロボットアームです。

そのためには、「人間の意図」という広大な分野を探求していく必要があり、研究チームはさらなる性能の向上に取り組んでいます。

既に高機能な腕は作られました。もし今後、「人間の意図を汲み取るAI」が追加されるなら、それは「本物の第3の腕」です。

それはつまり、マーベル作品のドクター・オクトパスが現実に誕生するということかもしれません。

Credit:Marvel Entertainment

研究の詳細は6月2日、「ICRA2020」で発表されました。

Multifunctional 3-DOF Wearable Supernumerary Robotic Arm Based on Magnetorheological Clutches
https://events.infovaya.com/presentation?id=68227

まるで人間のように「汗をかく」ロボットが開発される

reference: ieee / written by ナゾロジー編集部
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