犬が新型コロナウイルスの陽性患者を見分けられるかもしれない!?

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研究に参加した検査犬「OSLO」/Credit:Dominique Grandjean
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  • 犬による新型コロナウイルス検査実験が行われた
  • 8匹の犬の平均正解率は93%であり、非常に高い確率で陽性患者を発見できる
  • 犬による検査は従来の方法と比べても、迅速かつ安価であり、信頼性も高い

新型コロナウイルスは世界中で猛威を振るっています。また、感染が比較的収まった国でも第二波が訪れる可能性はあるでしょう。

そのため、信頼性の高く、安価で迅速な検査が必要とされています。

フランス・エストニア国立獣医学校のドミニク・グランジャン氏らによって行われた新しい研究では、訓練された犬が人間の汗から新型コロナウイルスの陽性患者を高確率で見つけることができました。

この研究が進むことにより、新しい検査方法が確立されるかもしれません。

犬の嗅ぎ分ける力

研究に参加した検査犬「GUN」/Credit:Dominique Grandjean

新型コロナウイルスの検査には費用と時間がかかります。当然、陽性かもしれない人すべてを迅速に検査することは不可能です。

こうした現状に対処するために考えられた方法が「犬による検査」です。

「犬によって病気を検出する」というアイデアは決して新しいものではありません。

実際、犬が癌を検出することを扱った出版物は2000以上もあります。

研究チームも「動物によるにおい検出は、多くの研究で発表されており、それらはすべて、標準の診断方法と比較して同等またはさらに優れた精度を示しています」と述べています。

また「犬による新型コロナウイルス検査」自体も新しいアイデアではありません。現在少なくともいくつかの研究が並行して行われています。

Credit:Dominique Grandjean

その中の1つであるグランジャン氏らの研究は、「訓練された犬」に患者の「脇の汗」を嗅がせるというものです。

ちなみに、検査犬は「爆発物を検出する犬」や「直腸癌を検出する犬」など、様々な分野から集められた専門家であり、合計8匹用意されました。

脇の汗を嗅いで平均正解率93%

研究チームは、陽性患者と陰性者から168の脇の汗サンプルを回収しました。

そしてサンプルが挿入された瓶を一列に配置し、犬たちがにおいを嗅いで判断できるようにしたのです。

Credit:Dominique Grandjean

実験はそれぞれ3、4、6および7つの瓶で行われ、その中に1つだけ陽性サンプルを挿入。

検査犬たちにはそれぞれの瓶を嗅ぎ、陽性サンプルを当ててもらいました。

Credit:Dominique Grandjean

その結果、4匹の犬は陽性サンプルを100%の確率で嗅ぎ分けることができました。その他の犬もそれぞれ83%、84%、90%、94%の正解率を示したのです。

研究チームによると「この結果は、新型コロナウイルス陽性患者が陰性者とは異なるにおいの脇汗を分泌することを示しています」とのこと。

つまり、新しい研究によって「汗が新型コロナウイルス陽性の印となる」こと、また「犬がこの印を見分けられる」ことが判明したのです。

実験結果/Credit:Dominique Grandjean

もちろん、現段階ではこの方法がどれほど実用的か分かりません。しかし、有望な手段であることには変わりないでしょう。

研究者たちは、レストランや企業での迅速な診断方法として、また医療施設の2次試験方法として利用できると結論付けています。

世界的に検査実施が不足している中、迅速・安価・信頼性のある「犬検査」は、導入すべき新たな方法なのかもしれません。

この研究は、6月5日、「biorxiv」に掲載されました。

Detection dogs as a help in the detection of COVID-19 Can the dog alert on COVID-19 positive persons by sniffing axillary sweat samples ? Proof-of-concept study
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.06.03.132134v1.full

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reference: zmescience / written by ナゾロジー編集部
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