イギリスのトレジャーハンターが、スコットランドの町ピーブルスの遺跡にて、3000年前の遺物の宝庫を掘り当てました。
発見者のマリウス・ステピエン氏(44)は、アマチュアの考古学者であり、今年6月にスコットランドの考古学団体「トレジャー・トローヴ・ユニット(TTU)」の発掘調査に参加。
22日間におよぶ発掘作業の結果、お宝を掘り当てたのは、プロの考古学者ではなく、素人のステピエン氏でした。
遺物には、馬具の一部、鞘に収まったままの剣、装飾されたストラップ、バックル、リング、戦車の車軸などが含まれています。
プロも舌を巻く「国宝レベルの重大な発見」
ピーブルスの遺跡は、スコットランドの首都エディンバラから南方36キロの地点にあります。
ステピエン氏は、TTUにコンタクトを取り、友人と一緒に発掘調査に参加していました。
調査の間は、ほぼ毎日小さいながらも何らかの遺物が見つかっていましたが、大物とはいかなかったそうです。
ところが、6月21日の作業で、ステピエン氏は自身の金属探知機が強いシグナルを発したのに気づき、その場を掘り返してみました。すると、地中50センチあたりに、一連の銅製の遺物がまとめて発見されたのです。
ステピエン氏は「これほどの大物は以前に見たことがなく、見つかった瞬間に何か特別なものを感じました。スコットランド史の大きな一部を発見したと直感し、喜びに打ち震えました」と話します。
専門家によると、これらは紀元前1000〜900年頃の青銅器時代の遺物とのことです。
イギリスの青銅器時代は、紀元前2000年頃に始まったとされ、道具を作るための材料が、石から銅に取って代わった時代でもあります。
TTUのエミリー・フリーマン氏は「スコットランドでは青銅器時代の遺物がほとんど見つかっていないため、歴史的に貴重な資料であると同時に、国レベルの重大な発見と言える」と述べています。
また、周囲の土壌が木や革を良好な状態で保存していたため、通常の発掘では見られない、リングとバックルをつなぐストラップ部分も確認できました。
このおかげで、青銅器時代の馬具がいかにして組み立てられたかを初めて知ることができます。
発見された遺物と土壌サンプルは現在、詳しい調査のため、エディンバラにある「ナショナル・ミュージアムズ・コレクションセンター」に送られています。