影響広すぎ。謎だらけな3億年前の大量絶滅は超新星が原因だった?

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Credit:depositphotos

地球上の生命の多くが失われる大量絶滅イベント。

これは地球の歴史上5回発生していて、ビッグファイブと呼ばれています。

おそらく、もっとも有名なのは恐竜たちを絶滅させた白亜紀後期の大量絶滅でしょう。これは隕石の落下が原因だったと考えられています。

他にも大量絶滅には、火山活動の活発化による地球環境の激変なども原因にあげられています。

しかし、未だに明確な説明ができていない大量絶滅が存在します

それがビッグファイブのうち2回目に起きたデボン紀後期の大量絶滅です。

このとき地球上では82%以上の生物が絶滅しました。

この原因について、新しい研究は地球上どころか太陽系内ですらなく、はるか彼方で起きた超新星の影響だったという可能性を指摘しています。

謎が多いデボン紀後期の大量絶滅

Credit:栃木県の地球科学,「東京大学生命科学教育用画像集」,depositphotos

デボン紀は魚類が非常に繁栄した時代です。地上には両生類のご先祖、最初の四肢動物といわれるイクチオステガなども登場していました。

しかし、多くの生物種が繁栄していたにもかかわらず、約3億5900万年前デボン紀後期に全生物種の約82%以上が絶滅してしまったのです。

デボン紀の大量絶滅には謎が多く、非常に長い期間で起こっていたと考えられています。隕石の落下などの痕跡も見つかっていますが、この長い絶滅期の間隔を考えると、隕石を原因に考えるのは妥当ではありません。

寒冷化を原因とする説もありますが、それを示す証拠も見つかっていません。

この地球上に起きた不可解な絶滅について、新たな研究は、地球上ではなく、彼方の宇宙に原因があった可能性を示唆しています。

銀河の彼方で起きた超新星爆発

超新星のアニメーション。/Credit: NASA/JPL-Caltech

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の天体物理学者Brian Fields氏が率いる研究チームは、D-C境界(デボン紀 – 石炭紀境界)に着目しました。

これらの地層には、強い紫外線によって日焼けしたような何十万世代もの植物の胞子が見つかりました。これは長期間に渡って、地球のオゾン層が破壊されていたことを示しています。

これらの痕跡は非常に長期間に渡っていて、その時代間隔から火山活動などによるオゾン層破壊は考えにくいと、Fields氏は述べています。

同様に、隕石の衝突、大規模な太陽フレア、ガンマ線バーストなどの天体物理学的な要因も検討されましたが、これらも短期で終了する現象であり、デボン紀の非常に長期間に及んだオゾン層破壊を引き起こす可能性は低いと考えられます。

そこで考えられるのが、地球から約65光年離れた場所で起きた超新星爆発です。これは長期間に渡るオゾン層破壊の原因となった可能性があります。

超新星による脅威は2度訪れます。最初は爆発後すぐに放たれた紫外線、X線、ガンマ線などの有害な放射線が地球に降り注ぎます。その後、遅れてやって来るのが、爆発の衝撃で加速された高エネルギーの荷電粒子です。

これらは超新星のデブリ(残骸)に磁気的に閉じ込められていて、太陽系まで爆風に乗って飛ばされてくると、長期間に渡り高レベルの宇宙線を放ち続けます。

つまり、約10万年のあいだ地球を汚染し続けることが可能なのです。

長期間に及んだ高エネルギー宇宙線の影響

Credit:NASA

この宇宙線は地球のオゾン層を破壊して、長期間に渡り地球生命に放射線損傷を引き起こした可能性があります。

そしてそれが生命の多様性の喪失や、植物胞子の変形として現れたのでしょう。

しかし、これも現在のところ仮説の域を出ることはありません。遠方の超新星がデボン紀後期に発生した証拠はまだないのです。

この事実は遠くの超新星によってのみ地球に堆積する可能性のある、古代の放射性同位体を探すことで明らかにできるかもしれません

とくに同時代の地層からプルトニウム244やサマリウム146といった同位体が見つかれば、それは今回の絶滅仮説を強く支持する証拠になります。

遠い宇宙とはいえ、超新星が地球にそれほど影響を与えるとなると、最近超新星の危機が叫ばれたベテルギウスの存在が気になってしまいますが、ベテルギウスは地球から600光年以上離れています。

この距離ではデボン紀のような災害は起きない可能性が高いでしょう。

しかし、長いスケールで見れば、私たちを襲う自然災害は地球上だけでなく、宇宙からもやって来る可能性があるのです。それは地球が宇宙の一員である以上、避けられないことなのかもしれません。

 

この研究はイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の天体物理学者Brian Fields氏が率いる研究チームより発表され、論文は『米国アカデミー紀要:PNAS』に8月18日付けで掲載されています。

Supernova triggers for end-Devonian extinctions
https://www.pnas.org/content/early/2020/08/17/2013774117

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reference: sciencealert,Phys/ written by KAIN
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