豪邸が買えるほどの価値
調査を主導したイスラエル考古学庁(IAA)のエリー・ハダッド氏によると、金貨の大半は10〜11世紀のアッバース朝時代のもので、中にはもう少し前の時代に遡るものも含まれています。
アッバース朝は、750年〜1258年まで続いたイスラム帝国第2の世襲王朝で(1番目はウマイヤ朝)、西は北アフリカから東は中央アジアまで広がっていました。
発見されたアッバース朝の金貨は一枚24カラット(1カラット=0.2グラム)で、合計845グラムありました。
当時としては莫大な価値があり、金貨一枚でウシやウマが一頭、全部ならアッバース朝の大都市で豪邸が一軒買えるほどだそうです。
ハダッド氏は「一度の発掘調査で、これほど大量の金貨が出てくるのはきわめて稀です。そもそも金は非常に価値が高く、当時は熱で溶解して世代から世代へと再利用されたため、遺跡から見つかること自体めったにありません」と指摘します。