南極のリストロサウルスにだけ冬眠の痕跡を確認
研究チームは、環境による成長プロセスの違いを調べるため、南極で採取されたリストロサウルス6頭のキバと南アフリカで採取された4頭のキバを比較しました。
ともに同時代の化石ですが、当時の大陸位置は今とは異なり、南極は極地にほど近く、南アフリカはそれより1000キロほど北側にありました。
キバの断面は、樹木の年輪のようなパターンを示し、そこから代謝やストレス、身体的な緊張レベルが分かります。
その結果、2地点のキバは、似たような成長パターンを示したものの、南極の方にだけ「年輪が密に詰まって太いリング状になる傾向」が見られました。
研究主任のミーガン・ホイットニー氏によると「これは生体が過度のストレス環境にさらされたこと、つまり、冬眠により代謝レベルが低下したことを示す」そうです。
この特徴は、冬眠をする現生動物の歯にも見られます。