他の生物も「自意識」を持っている?
ヒトやその他の霊長類において、ものごとを意識的に知覚する能力は、脳表面に広がる「大脳皮質(英: cerebral cortex)」から生まれます。
しかし、霊長類と鳥類の脳は構造がまったく違っており、カラスには大脳皮質がありません。
ヒトとカラスの共通祖先は、今から3億2000万年前まで遡ります。そのことから、意識の起源は予想以上に古く、より広範囲の生物種に広がっていたと考えられます。
また、これとは別に、霊長類と鳥類がまったく独自に意識を発達させた可能性もあるでしょう。いずれにせよ、本研究で、大脳皮質がなくても自意識が発生しうることを証明できたのは非常に重要です。
もしかしたら、カラスのみならず、身の回りに潜む多くの生物が、鮮明な自意識を持って、私たちを観察しているのかもしれません。