重力マイクロレンズ効果で発見された地球質量の自由浮遊惑星。
重力マイクロレンズ効果で発見された地球質量の自由浮遊惑星。 / Credit: Jan Skowron / Astronomical Observatory, University of Warsaw.
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アインシュタインの理論により、宇宙を孤独に旅する最小の「自由浮遊惑星」を発見! 惑星形成のナゾを解くカギになるかも

2021.01.27 Wednesday

2020.11.04 Wednesday

地球は太陽系の一員で、太陽の周りを離れることなくずっと回り続けています。

私たちの知る多くの惑星は、そんな星系に属するメンバーです。しかし、宇宙にはどの星系にも属さず、1人孤独に銀河を旅する自由な惑星も存在するのです。

10月29日付で科学誌『Astrophysical Journal Letters』に掲載された新しい研究は、そんな自由浮遊惑星について地球と同サイズのものを発見したと報告しています

これまで発見された自由浮遊惑星は木星の数倍という巨大なものばかりでした。今回の研究はこれまでで最小サイズの自由浮遊惑星を発見したことになります。そしてそんな惑星は、宇宙でもっともありふれている可能性があるのです。

 

University of Warsaw https://en.uw.edu.pl/an-earth-sized-rogue-planet-discovered-in-the-milky-way/ , livescience https://www.livescience.com/earth-size-rogue-planet.html

自由に宇宙を旅する孤独な惑星

木星サイズの自由浮遊惑星のコンセプトアート。
木星サイズの自由浮遊惑星のコンセプトアート。 / Credit:NASA/JPL-Caltech

現在4000を超える太陽系外惑星が発見されていて、それは皆、地球のように星を周回しています。

しかし、惑星の形成と進化の理論では、必ずしも惑星は何らかの星に重力的に束縛されている必要はないことを示唆しています

いずれの星系にも属さずに孤独に宇宙を漂う惑星のことを「自由浮遊惑星(英:rogue planet)」と呼びます。

こうした惑星が形成される理由は、星の誕生と同様に宇宙を漂うガスや塵の雲から初めから孤立して生まれる場合や、もともとは星系に属して誕生したけれど別の天体との衝突などによって、星系から押し出されてしまった場合などが考えられます。

こうした自由浮遊惑星は、現在のところはほとんど発見されておらず、見つかったものは木星の2倍から40倍(木星は地球の300倍)の質量を持つ巨大な惑星ばかりです。

しかし、今回の研究では地球サイズの自由浮遊惑星が初めて発見されました。

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