“帆とソーラーパネルだけ”で進む「燃料の必要ない船」が設計される! 帆船と太陽光発電のいいとこ取りを実現

太陽光発電と帆で航行する「P1」
太陽光発電と帆で航行する「P1」 / Credit:pedro ramalho
reference: designboom

ポルトガル北部の湾岸都市ポルトを拠点とする建築家ペドロ・ラマーリョ氏が、燃料を必要としない船「P1」を考案しました。

P1はデッキすべてがソーラーパネルに覆われており、太陽光発電と風力のみで航行できるとのこと。

まだデザイン・設計の段階ではあるものの、世界中を旅するクリーンで新しい手法を提示することとなりました。

2つのクリーンなエネルギーを併用した船「P1」

帆は風を、ソーラーパネルは太陽光を活用する
帆は風を、ソーラーパネルは太陽光を活用する / Credit:pedro ramalho

これまでにも環境にやさしい「クリーンな」が求められてきましたが、実現には至っていませんでした。

なぜなら、クリーンな動力源は大海原を旅する船にとって信頼性に欠けるものだからです。

風力を利用する帆船は歴史が深く、現代でも一般的な手法ではあるものの、風の有無や方向に強く影響されます。風を利用する風力発電も同様に不安定です。

また太陽発電は近年爆発的に普及し、多くの分野で活用されていますが、こちらもやはり日中・晴天時にしか発電できず安定性に欠けています。

2つのクリーンな動力源を備えた船
2つのクリーンな動力源を備えた船 / Credit:pedro ramalho

そこでラマーリョ氏は、2つのクリーンな動力源を組み合わせ、なるべく高い安定性を維持できる船「P1」を設計することにしたのです。

太陽光発電から帆船へとフォームチェンジする

P1は全長17メートルの船であり、外部デッキ全面にソーラーパネルが装着されています。

デッキがすべてソーラーパネル
デッキがすべてソーラーパネル / Credit:pedro ramalho

このソーラーパネルの面積は60平方メートルであり、太陽から最大15kW/Pを生成可能。

太陽光発電によって得られた電気は動力源として利用されます。これによって排出ガスを出さずに港湾や沿岸を航行できるでしょう。

帆船へのフォームチェンジ(横図)
帆船へのフォームチェンジ(横図) / Credit:pedro ramalho

またP1には特別に設計されたマストと帆が格納されており、スライドしながら素早く帆船型に移行できます

理論的には、短距離の移動や緊急時に太陽光発電システムを利用し、それ以外の広範囲の航行には風力を利用した帆船システムを利用できるでしょう。

2つのシステムを連携させることで安定性と航行可能距離が確実に向上し、求められるクリーンな船の実現に近づくというわけです。

P1後部は開放感のあるデザインを採用
P1後部は開放感のあるデザインを採用 / Credit:pedro ramalho

さて、P1には通常の船にあるような外部デッキがありません。そのため乗客たちは主にデッキ下のスペースを利用することになるでしょう。

P1内部構造
P1内部構造 / Credit:pedro ramalho

ここには3つの客室と1つの共用エリアがあり、数名の家族が利用するのに丁度良いサイズとなっています。

帆と太陽光発電を組み合わせた完全自律型ヨット「P1」が実際に造られるかはまだ分かりませんが、今後は同じようなコンセプトの船が続々考案されていくでしょう。

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