嫌な相手から素早く逃げるための最適な選択
生物は、状況に応じて最適な行動を選択するものです。
例えば、嫌な相手に遭遇したときに脳は逃げるための最適な行動を促します。
脳に860億個の神経細胞をもつ人間は、複雑な思考の結果、その場から上手に逃れる方法を決定し実行するでしょう。
ハツカネズミは脳に7000万個ほどの神経細胞をもっていますが、やはり嫌な相手からは素早く逃げようとします。
では、脳に神経細胞が1万個しかないショウジョウバエの幼虫は、どのように反応するでしょうか?
これまでの研究によって、ショウジョウバエの幼虫も嫌な刺激や対象物に出会うとその場から逃げることが分かっています。
しかもその行動パターンは複数あり、状況に応じて最適な行動を選択しているというのです。
例えば、単一回数の不快刺激を頭部に受けた場合は、前進運動や回転運動でその場から逃げます。
しかし、連続の不快刺激を頭部に受けたり不快な光を浴びたりすると、後退運動によって逃げようとするのです。