2つの刺激がコマンドとなり、後退運動を促す
2つの刺激がコマンドとなり、後退運動を促す / Credit:榎本 和生
biology

「嫌な相手から素早く逃げる」ための脳神経回路を発見! 生物の行動選択のメカニズムが解明されるかも

2021.01.28 Thursday

2020.11.08 Sunday

東京大学 https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2020/7087/

私たちは嫌な相手に遭遇したり身の危険を感じたりすると、その場から逃げるための最善策を考え、実行するものです。

実はショウジョウバエの幼虫も同様の行動選択を行うのですが、最近そのメカニズムが解明されました。

東京大学院理学系研究科の榎本和生教授ら研究チームは、11月2日付の科学誌『PLoS Genetics』に、「ショウジョウバエ幼虫が不快な刺激を受けた時に後退して逃げるための脳神経回路を発見した」と報告しました。

ショウジョウバエの幼虫には、生まれながらに後退運動するためのコマンドが組み込まれていたのです。

嫌な相手から素早く逃げるための最適な選択

素早く逃げるための行動選択
素早く逃げるための行動選択 / Credit:depositphotos

生物は、状況に応じて最適な行動を選択するものです。

例えば、嫌な相手に遭遇したときに脳は逃げるための最適な行動を促します。

脳に860億個の神経細胞をもつ人間は、複雑な思考の結果、その場から上手に逃れる方法を決定し実行するでしょう。

ハツカネズミは脳に7000万個ほどの神経細胞をもっていますが、やはり嫌な相手からは素早く逃げようとします。

では、脳に神経細胞が1万個しかないショウジョウバエの幼は、どのように反応するでしょうか?

これまでの研究によって、ショウジョウバエの幼虫も嫌な刺激や対象物に出会うとその場から逃げることが分かっています。

しかもその行動パターンは複数あり、状況に応じて最適な行動を選択しているというのです。

例えば、単一回数の不快刺激を頭部に受けた場合は、前進運動や回転運動でその場から逃げます。

しかし、連続の不快刺激を頭部に受けたり不快な光を浴びたりすると、後退運動によって逃げようとするのです。

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