ヴィーナス像にはどんな意味が?
ヴィーナス像にはどんな意味が? / Credit: University of Colorado Anschutz Medical Campus
history archeology

「太ったヴィーナス像」に込められた真の意味が判明! 寒い地域の像ほど太っていた理由とは?

reference: sciencealert, scitechdaily, phys
2020.12.04 Friday

世界最古の土偶の一つとして有名なこの像。

ふくよかで肉づきのよい女性をかたどったヴィーナス像で、これまでにヨーロッパやユーラシア各地で200体以上が出土しています。

専門家たちは、ヴィーナス像の体型について、豊穣や美の象徴と解釈してきました。

しかし、アメリカ・コロラド大学の最新研究により、新たな説が浮上しています。

それによると、氷河期の気温低下にかかわる「生存のシンボル」であった可能性が高いとのことです。

研究は、12月1日付けで『Obesity』に掲載されています。

>参照元はこちら(英文)

寒い場所ほど「像の肥満度」が高かった!

ヴィーナスの制作年代は約3万8000〜1万4000年前で、多くは約2万6000〜2万1000年前の間です。

「不思議なのは、この時代の人々に広く肥満体型が知られていたことだ」と研究主任のリチャード・ジョンソン氏は指摘します。

肥満は21世紀にとくに顕著になったものですが、狩猟・採集、移住生活のため常に動いていた古代人には、ほとんど見られなかったはずです。

それなのにわざわざ肥満体型の像をつくったのはなぜでしょうか。

各地で出土したヴィーナス像
各地で出土したヴィーナス像 / Credit: onlinelibrary

研究チームは、この疑問を解決するべく、数十体のヴィーナス像を対象に「ヒップ-ウエスト比」と「肩幅-ウエスト比」を測定しました

その結果を、像が発見された場所(とくに、氷河までの距離に注目して)比較すると、面白い相関性が見つかっています。

ヴィーナス像の肥満度は、氷河からの距離が遠くなるほど低くなり、近くなるほど高くなっていたのです。

氷河に近いほど肥満度が高い
氷河に近いほど肥満度が高い / Credit: onlinelibrary

加えて、制作年代と比較すると、肥満度は氷河が前進(南下)していた時代に最大で、温暖化により後退(北上)した時代に減少していました。

その理由を次に見ていきましょう。

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