特定の大腸菌がネグレクトを誘発することが明らかになった
特定の大腸菌がネグレクトを誘発することが明らかになった / Credit:Canva
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ネグレクトを発症させる腸内細菌を発見 育児放棄はおなかのせいかもしれない

2021.02.02 Tuesday

Specific bacteria in the gut prompt mother mice to neglect their pups https://techandsciencepost.com/news/science/specific-bacteria-in-the-gut-prompt-mother-mice-to-neglect-their-pups/
Microbiota control of maternal behavior regulates early postnatal growth of offspring https://advances.sciencemag.org/content/7/5/eabe6563

ネグレクト(育児放棄)は腸内細菌のせいかもしれません。

1月29日に『Science Advances』に掲載された論文によると、腸内細菌「O16」が母親マウスのネグレクトを誘発すると判明しました。

腸による脳の支配は、親子の「絆」にまでおよんでいたのでしょうか?

特定の腸内細菌が異常を引き起こす

大腸菌「O16」に感染した母親から生まれた赤ちゃんマウスは異常に痩せていた
大腸菌「O16」に感染した母親から生まれた赤ちゃんマウスは異常に痩せていた / Credit:Science Advances

近年になって腸内細菌が、わたしたちの脳(精神)に深くかかわっていることが明らかになってきました。

精神的な影響が腸にあらわれるように、腸内環境もまた脳に影響を与えていたのです。

しかし既存の研究は腸内環境全体を対象としており、特定の菌種がどのように精神に影響しているかは、あまり詳しく調べられていませんでした。

そこでアメリカ・ソーク研究所の研究者たちは、数多くの腸内細菌の中から1種類ずつをマウスに感染させ、経過を観察するという、非常に地道で時間がかかる実験に取り組んできました。

結果今回、大腸菌「O16」(O16:H48 MG1655O16)を与えたマウスに奇妙な現象を発見しました。

O16に感染した母親から生まれた子どもが、異常なほど痩せていたのです。

そのため研究者ははじめ、O16が母乳の質に悪影響を与えていると考えました。

しかし母乳をいくら調べても、正常なマウスとの違いはみつかりません。

そこで研究者たちは感染した母親マウスの行動を、詳細に観察することにしました。

すると、意外な事実が判明します。

次ページ「O16」への感染は深刻なネグレクトを誘発していた

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