氷の上を滑るための条件をさぐる原始的な装置
氷の上を滑るための条件をさぐる原始的な装置 / Credit:Physical Review X
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氷の上を滑れる理由が150年ぶりに解明される! マイナス7℃の氷がもっとも滑る

2021.02.18 Thursday

Why can we skate on ice? https://www.uva.nl/en/shared-content/subsites/institute-of-physics/en/news/2021/02/why-can-we-skate-on-ice.html?utm_source=miragenews&utm_medium=miragenews&utm_campaign=news&cb
Friction on Ice: How Temperature, Pressure, and Speed Control the Slipperiness of Ice https://journals.aps.org/prx/abstract/10.1103/PhysRevX.11.011025#fulltext

氷が滑る理由について、全人類は勘違いをしていたようです。

2月18日に『Physical Review X』に掲載された論文では、氷の上を物が滑るための条件として、表面の「水の層」が必要ないことが示されました。

氷の上を滑るときには表面に溶けた「水の層」が作られるとする説は150年前(1886年)から言われてきましたが、どうやら間違いだったようです。

では、何が氷の滑りやすさを決めていたのでしょうか?

氷が滑る理由を150年ぶりに解明 氷はマイナス100℃で滑らなくなる

氷の上を滑るために「水の層」は必要ない
氷の上を滑るために「水の層」は必要ない / Credit:Physical Review X

意外なことに、が滑る原因は長い間、物理学の大きな謎でした。

定説として「圧力や摩擦熱によって氷の表面に水の層が生じているから」というものが知られていますが、厳密には正しくなかったのです。

圧力で氷を溶かすには人間の体重を遥かに上回る非現実的な接触圧が必要であり、スケートブーツは摩擦熱をほとんど生じないような低速度でも、氷の上をよく滑りました。

つまり、氷の上を滑るためには、表面の「水の層」は必要な要素ではないのです。

では何が氷の上を滑りやすくしているのか?

疑問に答えるために物理学者たちは上の図のような原始的な機材を開発し、実験をおこないました。

結果、マイナス100℃になると、氷は滑らなくなる現象が発見されたのです。

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