出産用に発明されたチェーンソー
出産用に発明されたチェーンソー / Credit: commons.wikimedia
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チェーンソーは帝王切開の「手術道具」として作られた? (2/2)

2021.04.04 Sunday

前ページ器具がなかった時代の「帝王切開」

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出産用として「チェーンソー」が誕生

帝王切開をしなければならない機会は、それ以後も世界各地で多々ありました。

しかし、専用の器具がないため、時間もかかる上に妊婦の苦痛は大きくなります。

そこで18世紀後半、2人のスコットランド人医師、ジョン・エイトケンとジェームズ・ジェフリーが、帝王切開を素早く行うための器具を発明しました。

それが「チェーンソー」です。

現代の帝王切開は、下腹部を縦か横方向に切って胎児を取り出すのですが、この時は違いました。

当時は、外陰部の上にある恥骨を切って骨盤を広げることで、引っかかっている胎児を取り出していたのです。

チェーンソーは、この作業を効率化させる道具でした。

想像するだに痛々しいですが、従来のナイフやハサミより、時間も大幅に短縮でき、それに伴う苦痛も軽減できたのです。

その後、チェーンソーは四肢の切断手術にも有用であるとして、19世紀まで医療器具として使われました。

しかし、麻酔剤や安全な帝王切開の登場により、チェーンソーはどんどん下火にあり、医療分野から姿を消していきます。

そして1905年になって、チェーンソーは木材伐採のために機械化され、現在の形になりました。

一番恩恵を受けているのは、ホラー映画界かもしれませんが。

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