92mgの金球にも重力場が生じる
92mgの金球にも重力場が生じる / Credit:Markus Aspelmeyer
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これまでで「最小の重力場」を測定成功! 量子力学と古典力学の境界線を決める研究

2021.03.11 Thursday

Physicists Just Made The Smallest Gravitational Field Measurement Ever https://www.sciencealert.com/scientists-have-taken-the-smallest-gravitational-field-measurement-yet How a ladybug warps space-time https://phys.org/news/2021-03-ladybug-warps-space-time.html
Measurement of gravitational coupling between millimetre-sized masses https://www.nature.com/articles/s41586-021-03250-7

オーストラリア科学アカデミーに所属する物理学者マーカス・アスペルマイヤー氏ら研究チームは、半径1ミリメートルで重さ92ミリグラム(0.092グラム)の金球2つの間に生じる重力場をはじめて測定しました。

これまでで最小の重力場が検知されたことは、将来的に一般相対性理論と量子力学を統一するのに役立つかもしれません。

研究の詳細は、3月10日付の科学誌『Nature』に掲載されました。

一般相対性理論と量子力学の統一

重力は誰もが体感している自然の力です。そしてその力は物体の質量と距離に関係しています。

例えば、地球上ではすべての物体は同じ加速度で自由落下します。

膨大な質量をもつブラックホールになると、その重力は非常に大きく周囲の光さえ閉じ込めてしまうほどです。

また地球の約80倍軽い月では重力も小さくなり、物体の落下速度は6倍遅くなります。

一般相対性理論と量子力学
一般相対性理論と量子力学 / (左)Credit:Depositphotos , (右)Credit:高エネルギー加速器研究機構 / 文部科学省

現在これらの重力作用は一般相対性理論で説明されます。その理論では質量が小さくなればなるほど、重力も小さくなるのです。

ところが極小の世界、量子レベルになると一般相対性理論は成り立たず、量子力学によってのみ説明できるようになります。

つまり現在の科学者たちは、大きな物体には一般相対性理論を当てはめ、小さな物体には量子力学を当てはめているのです。

2つの理論を一緒に考えようとしてもうまくいきません。

大きさが異なるだけで当てはまる理論が違ってくるというのは、なんとも不思議な話です。

そのため科学者たちは、一般相対性理論と量子力学を統一する新たな理論を見つけようとしてきました。

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