金持ちの寄付は、金持ちの間で循環し、金持ち仲間と良い関係を生み出す
金持ちの寄付は、金持ちの間で循環し、金持ち仲間と良い関係を生み出す / Credit:Depositphotos
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お金持ちが寄付するのは富裕層の支持を得るためかもしれない

2021.04.05 Monday
Elite philanthropy mainly self-serving https://academictimes.com/elite-philanthropy-mainly-self-serving-2/
Elite philanthropy in the United States and United Kingdom in the new age of inequalities https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/ijmr.12247?campaign=wolearlyview

有名人や起業家による寄付は、その額の大きさから度々話題になります。

ではそのようなお金持ちの寄付は、実際に誰を助けているのでしょうか?

イギリス・バース大学経営学部に所属するマイリ・マクリーン氏ら研究チームは、富裕層の慈善活動に関する263の雑誌記事、書籍、研究をメタ分析し、彼らの寄付が社会に与える影響を発表しました。

その結果によると、お金持ちの寄付の主な対象は富裕層であり、貧困層を助けるというよりは、富裕層との良い関係を生み出すものだったとのこと。

研究の詳細は、2月21日付の学術誌『International Journal of Management Reviews』に掲載されました。

金持ちの慈善活動の目的とは?

富裕層の寄付の主な対象は、自分に何らかの利益をもたらすものだった
富裕層の寄付の主な対象は、自分に何らかの利益をもたらすものだった / Credit:Depositphotos

現在、世界中で貧富の差が大きくなっています。

例えば、アメリカでは1980年以降、富裕層と貧困層の差が2倍以上に拡大。

またイギリスの収入層をそれぞれ5つのグループに分けた場合、最も裕福なグループと最も貧しいグループでは、平均所得に12倍もの差がありました。

こうした背景にあって、私たちは「富裕層が多額の寄付をした」というニュースを聞くことがあります。

ほとんどの人は「富裕層の寄付とは、貧富の差を埋めるために行われている」と考えるでしょう。

ところがマクリーン氏らの報告によると、それら富裕層は主に「自分たちに何らかの利益をもたらす活動に対して寄付している」とのこと。

彼らの慈善活動の動機には、「権力を維持することも含まれている」のです。

実際、アメリカの194人の「エリート慈善家」を対象とした調査では、そのうち104人が公共政策に影響を与えるために、研究機関および擁護団体に資金を提供していたと判明しています。

次ページ富裕層の寄付のほとんどは、貧困層ではなく富裕層内部を循環している

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