コンクリート建材が電池になる
コンクリート建材が電池になる / Credit:Depositphotos
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建物が巨大な電池に。未来のコンクリートは電気を貯めることができる (2/2)

2021.05.21 Friday

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コンクリートバッテリーの性能と将来性

コンクリートバッテリーは建材と電池を兼ねる
コンクリートバッテリーは建材と電池を兼ねる / Credit:Chalmers University of Technology

新しいコンクリートバッテリーのエネルギー密度は、1m²あたり7Whです。

この数値は以前に開発されたコンクリートベースのバッテリーの10倍以上の数値となります。

もちろん、市販のバッテリーに比べるとはるかに効率が劣りますが、それでも建材として建物全体に充電できるなら、それ自体が大きなメリットになるでしょう。

ちなみに、研究チームはこのコンクリートバッテリーが大きな可能性を秘めていると述べています。

例えばソーラーパネルやセンサーと組み合わせて、高速道路や橋の亀裂・劣化を検出する自律型監視システムを作れるかもしれません。

とはいえ、コンクリートバッテリー自体はまだ商業化できません。

コンクリート建造物は通常50~100年使用することを想定しています。コンクリートバッテリーを用いるなら、同期間、電池としても機能させなければいけないのです。

今後はバッテリー耐用年数の延長、リサイクル技術の開発が課題となるでしょう。

コンクリートに電気を貯めるというアイデアは画期的なため、研究チームの今後の開発と研究に期待したいですね。

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