大豆由来のプラスチック代替品
大豆由来のプラスチック代替品 / Credit:Tuomas P. J. Knowles(University of Cambridge)-Controlled self-assembly of plant proteins into high-performance multifunctional nanostructured films(2021)
chemistry

クモの糸をまねした「植物性の新素材」が世界を変える可能性がある

2021.06.12 Saturday

‘Vegan spider silk’ provides sustainable alternative to single-use plastics https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/uoc-ss060721.php
Controlled self-assembly of plant proteins into high-performance multifunctional nanostructured films https://www.nature.com/articles/s41467-021-23813-6

蜘蛛の糸は自然界で最も強力な材料の1つです。

イギリス・ケンブリッジ大学(University of Cambridge)の生物物理学者トーマス・ノウルズ氏ら研究チームは、蜘蛛の糸の特性を模倣した植物由来の新しい材料を開発しました。

新しい材料は環境にやさしく、一般的なプラスチックと同じくらい強力なため、代替品としての活用が期待されます。

研究の詳細は、6月10日付の科学誌『Nature Communications』に掲載されました。

蜘蛛の糸に秘められたタンパク質構造を模倣する

蜘蛛の糸は独特なタンパク質構造によって高い強度をもつ
蜘蛛の糸は独特なタンパク質構造によって高い強度をもつ / Credit:Xampla(Youtube)-Plant protein material inspired by the spider(2021)

蜘蛛の糸は鋼鉄以上の強度をもっているだけでなく、高い軽量性と伸縮性を備えています。

しかも糸の材料はタンパク質であり、その紡糸プロセスには少しのエネルギーしか使用しません。

研究チームが蜘蛛の糸を調査したところ、その強さを与える特徴の1つは「規則的で高密度の水素結合」にあると分かりました。

蜘蛛の糸は独特なタンパク質構造によってその強度が生み出されていたのです。

この構造を模倣するなら、強力な材料が生み出せるかもしれません。

ただし蜘蛛の大量繁殖は難しく、蜘蛛以外の動物性タンパク質利用にもコストや持続性などの点で限界があります。

そこでチームは、環境にやさしい植物タンパク質で蜘蛛の糸の構造を再現しようとしました。

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