小さな亀裂を自己修復するコンクリート
小さな亀裂を自己修復するコンクリート / Credit:Nima Rahbar(Worcester Polytechnic Institute)_An enzymatic self-healing cementitious material(2021)
chemistry

「赤血球の酵素」で自己修復するコンクリートが開発される

2021.06.18 Friday

2021.06.17 Thursday

Self-healing concrete plugs cracks with CO2 sucked from the air https://www.zmescience.com/ecology/self-healing-concrete-plugs-cracks-with-co2-sucked-from-the-air/
An enzymatic self-healing cementitious material https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352940721001001#!

コンクリートは低コスト・高耐久の建設資材ですが、湿度や日光などさまざまな外的要因で劣化します。

ところが最近、アメリカ・ウースター工科大学(Worcester Polytechnic Institute)土木環境工学科に所属するニマ・ラフバル氏ら研究チームは、赤血球の酵素で自己修復するコンクリートを開発しました

新しいコンクリートは自己修復できるため、従来の4倍の耐久性があるといわれています。

研究の詳細は、6月付の科学誌『Applied Materials Today』に掲載されました。

赤血球に含まれる酵素をコンクリートに追加する

コンクリートに生じるひび割れは、放置することで徐々に大きくなり、最終的には建造物の崩壊につながります。

しかしラフバル氏が述べるように、「小さな亀裂が生じた時点で自動的に修復できれば、修理や交換を要する大きな問題には発展しない」はずです。

そこで研究チームは、自己修復コンクリートを開発することにしました。

ラフバル氏が自己修復コンクリートを開発する
ラフバル氏が自己修復コンクリートを開発する / Credit:Worcester Polytechnic Institute_WPI Researcher Develops Self-Healing Concrete that Could Multiply Structures’ Lifespans, Slash Damaging CO2 Emissions(2021)

彼らがインスピレーションを受けたのは、赤血球に含まれる「炭酸脱水酵素」です。

赤血球は取り入れた酸素を体中に届けるだけでなく、細胞や組織から出た二酸化炭素(CO2を回収し、血しょうで運びやすいように変換します。

そしてこの変換を助けるのが炭酸脱水酵素であり、変換速度を数万倍にまで加速させるといわれています。

では、コンクリート材料に炭酸脱水酵素を加えるとどうなるのでしょうか?

ラフバル氏は、「私たちの体内にある酵素は驚くほど素早く反応するので、コンクリートを修復・強化する効率的なメカニズムとして利用できます」と述べました。

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