ジャンプする魚マングローブ・キリフィッシュ
ジャンプする魚マングローブ・キリフィッシュ / Credit:BROCK FENTON,The Atlantic/A Hint About How Life Made It Onto Land(2021)
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2ヶ月間「陸をはねて他の池に移動できる魚」は地上で脳を発達させると明らかに

2021.06.22 Tuesday

A Hint About How Life Made It Onto Land(The Atlantic) https://www.theatlantic.com/science/archive/2021/06/land-fish-brains/619206/ Study of mangrove rivulus fish hints at mechanism for brain evolution of land animals(Phys) https://phys.org/news/2021-06-mangrove-rivulus-fish-hints-mechanism.html
Does leaving water make fish smarter? Terrestrial exposure and exercise improve spatial learning in an amphibious fish https://royalsocietypublishing.org/doi/full/10.1098/rspb.2021.0603

すべての脊椎生物は魚からスタートしてさまざまな種へと進化していきました。

海から陸へと生物が進出したとき、そこでは何が起こったのでしょうか?

カナダ・グエルフ大学(U of G)の2人の研究者は、水陸両用の魚「マングーブ・キリフィッシュ(mangrove killifish)」を陸に上げて飼育した場合、ずっと水中で飼育した個体より脳が発達したと報告をしています。

これは、陸生動物への変化の過程で脳が発達した可能性を示唆しており、進化の基礎となる発見です。

研究の詳細は、科学雑誌『Proceedings of the Royal Society B』に6月16日に掲載されています。

最大2カ月も陸で生存できる「マングーブ・キリフィッシュ」

マングローブ・キリフィッシュ

中南米のマングーブ域に生息する「マングーブ・キリフィッシュ」または「マングローブ・リウルス(mangrove rivulus)」(学:Kryptolebias marmoratus)と呼ばれる魚は、非常に変わった性質を持っています。

種としてはメダカの近縁ですが、雌雄同体で脊椎動物では唯一自家受精することができます。つまり自分のクローンを作れます。

塩分に対しても広い耐性があり、塩分濃度0%~68%まで生息が可能です。

これだけでもかなり驚きですが、今回の研究が着目しているのはもう1つの彼らの生態です。

マングローブ・キリフィッシュは陸両用で、陸から上がっても約2カ月間(最大66日間)生存することができるのです。

このとき彼らは皮膚から空気を吸い込んで呼吸します。

陸上のマングローブ・キリフィッシュは尻尾をバネに使ったジャンプをして、水場を探したり木の上に移動することが知られています。

このため、ジャンプする魚とか木登りする魚とも表現されることもあります。

研究者のジュリア・ロッシ氏のツイート

しかし、いくら適応できるとはいえ、水中と陸はまったく異なる環境です。

今回の研究者は、このマングローブ・キリフィッシュが陸上に上がって活動したとき、になにか影響が出るのではないかと考えました。

そこで、数匹のマングローブ・キリフィッシュを捕まえて、異なる環境で飼育した場合の彼らの脳の変化を調査したのです。

次ページ定期的に陸で運動させた魚は脳が発達する

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