最大2カ月も陸で生存できる「マングーブ・キリフィッシュ」
中南米のマングーブ域に生息する「マングーブ・キリフィッシュ」または「マングローブ・リウルス(mangrove rivulus)」(学:Kryptolebias marmoratus)と呼ばれる魚は、非常に変わった性質を持っています。
種としてはメダカの近縁ですが、雌雄同体で脊椎動物では唯一自家受精することができます。つまり自分のクローンを作れます。
塩分に対しても広い耐性があり、塩分濃度0%~68%まで生息が可能です。
これだけでもかなり驚きですが、今回の研究が着目しているのはもう1つの彼らの生態です。
マングローブ・キリフィッシュは水陸両用で、陸から上がっても約2カ月間(最大66日間)生存することができるのです。
このとき彼らは皮膚から空気を吸い込んで呼吸します。
陸上のマングローブ・キリフィッシュは尻尾をバネに使ったジャンプをして、水場を探したり木の上に移動することが知られています。
このため、ジャンプする魚とか木登りする魚とも表現されることもあります。
Hot off the press!🚨
Our new study shows that “leaving water can make fish smarter” 🧠
We found that air-exposure and terrestrial (jumping) exercise improved the spatial learning ability of an amphibious fish 🐟 @RSocPublishing @royalsociety https://t.co/r92urqnCMg pic.twitter.com/J3x0jiCW5e— Giulia Rossi (@giuliasrossi) June 16, 2021
研究者のジュリア・ロッシ氏のツイート
しかし、いくら適応できるとはいえ、水中と陸はまったく異なる環境です。
今回の研究者は、このマングローブ・キリフィッシュが陸上に上がって活動したとき、脳になにか影響が出るのではないかと考えました。
そこで、数匹のマングローブ・キリフィッシュを捕まえて、異なる環境で飼育した場合の彼らの脳の変化を調査したのです。