日本のインターネット最速インターネットが世界の通信インフラに革命を起こす!?
2020年8月、イギリスのロンドン大学(UCL)はKDDIなどと共同して、インターネット通信速度の世界記録である178Tb/sを達成しました。
これはNASAが利用している通信速度400ギガビット/秒(Gb/s)や、一般消費者が使用できる最大通信速度10Gb/sをはるかに超えた数値となっています。
![世界最速319Tb/sを達成](https://nazology.net/wp-content/uploads/2021/07/20210622-01L-726x600.png)
そして2021年6月、わずか1年ほどでその世界記録は大きく塗り替えられました。
NICTが約2倍にあたる通信速度319 Tb/sを達成したのです。
研究チームがこの成果を生み出すために使用したのは、「4コア光ファイバ」です。
コアとは光ファイバの中心部であり、光はここに閉じ込められた状態で伝送されます。
![広く利用されている標準外径光ファイバのイメージ図](https://nazology.net/wp-content/uploads/2021/07/f81fd2e4c52864042852c112ce927ae2.png)
通常は1つのコアが利用されますが、今回の研究では最大速度を出すために4つのコアが用いられました。
信号を複数の波長に分解して同時に伝送することで、最大通信速度を向上させたのです。
![使われてこなかったS帯を追加](https://nazology.net/wp-content/uploads/2021/07/d099d886ed65ef765625779e628d2c5f.png)
さらにより多くのデータを伝送するため、これまでは使われていなかった第三の波長帯(S帯)を追加。
S帯は「数十kmしか伝送できない」という問題がありましたが、今回、複数の光増幅技術を用いて長距離伝送を可能にしたとのこと。
![これまでNICTが伝送実験を実施した主な標準外径光ファイバ](https://nazology.net/wp-content/uploads/2021/07/20210622-06.png)
ちなみに4コア光ファイバは、従来の1コア光ファイバと同じ直径になります。
そのため既存のインフラに流用可能。
現在のほとんどの設備は、比較的簡単に4コア光ファイバへの移行が可能であり、それは世界の通信インフラ革命につながります。
今後研究チームは、早期実用化を目指してさらなる研究を行う予定です。