端数価格にはデメリットがある
端数価格にはデメリットがある / Credit:Depositphotos
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端数価格の心理トリック「イチキュッパ」にはデメリットがあった (3/3)

2021.08.28 Saturday

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端数価格が「アップグレード商品をより高い」と思わせる

端数価格がアップグレード商品の購入を妨げるのは、「アップグレード商品をより高く感じさせるから」とのこと。

元値が9800円の場合、1万2000円のアップグレード商品を購入するには、「1万円の境界線」を超えなければいけません。

この「しきい」がアップグレード商品をより高く、遠いものに思わせるのです。

端数価格商品の場合、アップグレードさせるには、しきいを超えなければいけない
端数価格商品の場合、アップグレードさせるには、しきいを超えなければいけない / Credit:Depositphotos

研究チームは、「州の境界を超えると目的地がより遠くに感じられる、という研究結果があります」と述べており、旅行などの他の分野でも同様の効果が見られると指摘。

確かに私たちも、実際の距離は変わらないとしても、県内よりも県外に出かける方が遠く、ハードルが高いように感じますね。

とはいえ、今回の効果が発生しないケースもあります。

例えば、高価な商品が対象の場合、小さな価格差では効果が薄いようです。

また「普段から頻繁にホテルを利用するする人」など、特定のサービスや商品に慣れ親しんでいる人には、効果がありません。

価格に精通している人は感覚に頼らないため、影響を受けることがないのです。

さて、今回の結果はアップグレード商品を扱う販売者にとって非常に有用な情報となるでしょう。

そして消費者にとっては、「値札を見たときの感覚に騙されないように」という注意喚起となりました。

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