新種鉱物「davemaoite」を黒い斑点のように保持したダイヤモンド
新種鉱物「davemaoite」を黒い斑点のように保持したダイヤモンド / Credit: Aaron Celestian, Natural History Museum of Los Angeles County
geoscience

地球の深部でしか作られない新種の鉱物が「ダイヤに封じられた状態」で発見される

2021.11.19 Friday

新種の生物発見というニュースはときたま耳にしますが、鉱物においても新種の発見がありました。

米国のネバダ大学ラスベガス校(UNLV)の研究チームは、深部地球において形成されるが地上では通常存在しない鉱物が、ダイヤモンド内に閉じ込められた状態で保持されているのを発見しました。

チームはこの新種鉱物を「Davemaoite(デイヴマオアイト)」と名付けて報告し、国際鉱物学連合(IMA)がこれを昨年承認しました。

研究の詳細は、2021年11月11日付けで科学雑誌『nature』に掲載されています。

Diamond delivers long-sought mineral from the deep Earth https://www.nature.com/articles/d41586-021-03409-2 鉱物のお話(物性研だより第54巻第2号) https://www.issp.u-tokyo.ac.jp/maincontents/docs/tayori54-2_Part11.pdf
Discovery of davemaoite, CaSiO3-perovskite, as a mineral from the lower mantle https://www.science.org/doi/10.1126/science.abl8568

新種鉱物の発見

生物と同じ様に「鉱物」でも新種発見は報告されます。

鉱物は、自然界に存在するさまざまな物質が、地球作用によって一定の化学組成と結晶構造を持って生まれたものです。

この一定の化学組成と結晶構造によって、鉱物の「種」は分類されます

もし、新種の鉱物が見つかった場合は、その報告を受けて国際鉱物学連合の「新鉱物の命名・分類のための委員会(Commission on New Minerals, Nomenclature and Classification)」が審査を行い、承認を与えます

これにより、初めて新種鉱物が世の中に認定されるのです。

今回報告された新種の鉱物は、アフリカの鉱山で採掘されたダイヤモンドの中から発見されました。

ダイヤモンドはただ美しいだけでなく、地球深部を調べる貴重な鉱物でもある
ダイヤモンドはただ美しいだけでなく、地球深部を調べる貴重な鉱物でもある / Credit:Depositphotos

発見を報告したのは、ネバダ大学ラスベガス校の地球化学者オリバー・チャウナー(Oliver Tschauner)氏が率いる研究チームです。

チャウナー氏は、この新種の鉱物に「Davemaoite」という名前を付けました

新種鉱物の名前の付け方にも命名規則があり、通常は発見者名や発見地の地名の最後にギリシア語で石を意味する「ite(アイト)」を付けます

よく鉱石や宝石の名前に「なんとかナイト」とか「なんとかライト」「なんとかタイト」という名前を見かけるのは、この命名規則によるものです。

チャウナー氏は、発見した鉱物の名前に、地球物理学の分野で先駆的な発見をした有名な科学者「Ho-kwang ‘Dave’ Mao:毛河光 マオ・ホークアン)」の名前を採用し、「Davemaoite」としたのです。

日本語で読むなら「デイブマオアイト」となるかもしれませんが、新種名なので正式な日本語読みは、いずれ日本の科学者から提供されることになるでしょう。

チャウナー氏は新種鉱物について次のように述べています。

「これは通常、地球表面には存在しない鉱物ですが、地球深部で熱の流れに大きな役割を果たしていることを垣間見ることができます」

なんだか気になることを言っていますが、研究者の述べる、地球表面に通常は存在しない鉱物とは、どういうことなのでしょう?

次ページダイヤモンドに封印された新種鉱物

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