ハンマー投げみたいに「ロケットを回転させて投げ飛ばす」発射システム
ハンマー投げみたいに「ロケットを回転させて投げ飛ばす」発射システム / Credit:SpinLaunch(YouTube)_SpinLaunch Suborbital Accelerator – First Launch(2021)
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ハンマー投げの要領で宇宙まで「投げ飛ばす」ロケット発射システムが登場 (2/2)

2021.11.21 Sunday

前ページ回転させて初速度をアップさせる

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「ハンマー投げみたいなロケット発射システム」のテストが成功

「自由の女神」像よりも大きい
「自由の女神」像よりも大きい / Credit:SpinLaunch

開発される新しいロケット発射システムの高さは50.4mであり、自由の女神像よりも大きな装置となっています。

円盤内部は減圧して空気抵抗が小さくなっており、アームが高速回転しています。

そしてアームの先端にはロケットが装着され、十分加速度が得られた後は、煙突のような発射口から射出されるのです。

ロケット発射のイメージ映像
ロケット発射のイメージ映像 / Credit:SpinLaunch(YouTube)_SpinLaunch(2021)

最初のテストでは全出力の約20%を使って打ち上げましたが、それでもロケットはテストとしては十分な結果である高度十数kmまで到達しました。

ちなみに今回開発された加速器は、将来予定している完成版の3分の1スケールのバージョンとのこと。

それでも技術を証明するには十分なサイズであり、テストではその性能が実証されたと言えます。

実際のテスト映像。発射口のシートを突き破って射出され、上空に打ち上げられた
実際のテスト映像。発射口のシートを突き破って射出され、上空に打ち上げられた / Credit:SpinLaunch(YouTube)_SpinLaunch Suborbital Accelerator – First Launch(2021)

さて新しいロケット発射システムのメリットは、そのエネルギー効率にあります。

電気駆動であるため、従来のロケット噴射に比べて燃料が4分の1、コストが10分の1に削減されるのです。

さらにその仕様から、1日に複数回打ち上げることも可能。

チームは、今後6~8カ月で約30回の打ち上げテストを実施する予定であり、実用化に向けてさらに調整を加えていきます。

「ロケットを放り投げて宇宙まで飛ばす」なんて漫画のようですが、案外、実用化は近いのかもしれません。

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