暴力的なゲームが人間性を攻撃的にすることはないと判明!
暴力的なゲームが人間性を攻撃的にすることはないと判明! / Credit:Grand Theft Auto V
psychology
Longitudinal study finds no evidence that violent video games lead to aggression https://www.psypost.org/2021/11/longitudinal-study-finds-no-evidence-that-violent-video-games-lead-to-aggression-62183
Does playing violent video games cause aggression? A longitudinal intervention study https://www.nature.com/articles/s41380-018-0031-7

2021.12.03 Friday

2021.12.02 Thursday

暴力的なゲームは「人間を攻撃的にしない」 独研究所

ゲームで人格は変わらないようです。

独マックス・プランク研究所で行われた研究によれば、暴力的なゲームを長期間にわたって毎日行った場合でも、被験者たちの攻撃性や社会性に変化がないことが判明した、とのこと。

なお実験に使われた「暴力的なゲーム」は世界中で大ヒットした「GTA5(グランド・セフト・オート5)」でした。

GTA5はゲーム開始直後に銀行強盗となってプレーヤーを操作しながら警官を撃ち殺していくシーンからはじまり、その後も暴力と不道徳を足して2で割らないような展開が続いていきます。

研究内容の詳細は『Molecular Psychiatry』に掲載されています。

暴力的なゲームが人間性を攻撃的にすることはないと判明!

暴力的なゲームが人間性を攻撃的にすることはないと判明!
暴力的なゲームが人間性を攻撃的にすることはないと判明! / Credit:Grand Theft Auto V

ゲームが人間の人格に及ぼす可能性は、古くから多くの人々の懸念になっていました。

人気ゲームの多くは程度の差こそあれ「人や生き物を殺す」要素が含まれており、そのような暴力的な経験をすることが、人間の精神に影響を与えずにはいられないと考えられていました。

そしてこの「ゲーム危険説」を危惧する研究者たちは、被験者たちに暴力的なゲームをしてもらい、人格の変化を測定するという実験を繰り返してきました。

結果、いくつかの研究では「暴力的なゲームは人格を攻撃的にする」という結論に達し、また他の複数の研究では逆に「暴力的なゲームは人格に影響を与えない」という正反対の結論を報告しています。

しかしこれまでの研究の多くは、暴力的なゲームをプレイした直後の心理状態が調べられることが多く「人格の変化」を論じるというより「短時間の影響」を調べているだけ…というケースがほとんどでした。

そこで今回、世界最高峰の研究機関として知られるマックス・プランク研究所の研究者たちは、長年の論争に終止符を打つために90人の被験者たちに暴力的なゲームとして知られる「GTA5(グランド・セフト・オート5)」をプレイしてもらうことにしました。

なお被験者たちの選抜に当たっては過去6カ月間、まともにゲームをした経験がないことが条件となっていました。

これは、GTA5以外のゲームの影響を排除するための措置とのこと。

準備が整えばいよいよ実験スタートです。

殺し・盗み・奪うゲーム
殺し・盗み・奪うゲーム / Credit:Grand Theft Auto V

GTA5は冒頭にも述べた通り、ゲーム開始直後から銀行強盗になって警官を撃ち殺しながら進めていくシーンとなっており、その後は車泥棒を行っていきます。

なお泥棒中に車の持ち主が現れた場合は、つつがなく射殺します。

また車泥棒中には猛スピードで信号無視して進むために、ほぼ確実に通行人を数人以上、多い時には10人以上、轢き殺すことになります。

そしてゲームの展開が早いため、多くのプレイヤーは以上の出来事を開始から30分以内に続けざまに味わうことになります。

ファッションも自在
ファッションも自在 / Credit:Grand Theft Auto V

そしてその後も、盗み・殺し・略奪・買春を繰り返しつつ、ワルとしてのサクセスストーリーを歩んでいくことになります。

被験者たちはこのゲーム(GTA5)を毎日30分、2カ月という長期にわたってプレイすることが求められました。

そしてプレイ期間の2カ月が過ぎると、被験者たちは心理テストが行われ、攻撃性や社会性に変化があるかをゲームをプレイする前に行った心理テストの結果と比べられました。

結果、被験者たちの人格には全く変化がないことが判明します。

ゲームの中で殺人を含むありとあらゆる暴力的な犯罪を体験しても、現実の被験者の攻撃性、社会性などには何の変化もなかったのです。

この結果は、暴力的なゲームを長期間行ったとしても、プレイヤーである人間の人格には影響を及ぼさないことを示します。

研究者たちはゲームをとりまく人々の懸念のほとんどは、根拠がないと結論付けました。

「暴力的なゲームをすると人格が攻撃的になる」という主張は、人間の機能や精神をあまりにも単純化しすぎている主張と言えるでしょう。

ただし、世の中には毎日12時間以上、数年にわたって暴力的なゲームに従事しているヘビーゲーマー(廃人)も存在します。

そのような超強度な経験がどのような変化を精神に与えるかは、また別の実験を行う必要があるでしょう。

みなさんのおかげでナゾロジーの記事が「Googleニュース」で読めるようになりました!
Google ニュースを使えば、ナゾロジーの記事はもちろん国内外のニュースをまとめて見られて便利です。
ボタンからダウンロード後は、ぜひフォローよろしくおねがいします。
App Store からダウンロード Google Play で手に入れよう

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

心理学のニュースpsychology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!