自律型ロボットがブタの腸を縫い合わす「自動」腹腔鏡手術に成功
自律型ロボットがブタの腸を縫い合わす「自動」腹腔鏡手術に成功 / Credit:ジョンズホプキンス大学
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人いらずの自律型ロボが「ブタの腸」の縫合手術に成功!

2022.01.28 Friday

人の手いらずの自律型ロボットによる手術が成功しました。

ジョンズホプキンス大学(JHU・米)の研究によると、AIを搭載した自律ロボットが人間の操作なしに、腹腔鏡(ふくくうきょう)手術によって「ブタの腸」の縫い合わせに成功した、とのこと。

また、ロボットの行った手術跡を医師たちが調べると、「人間よりも大幅に優れた結果(完璧な縫い合わせ)」だったことが判明しました。

ロボットによる自動化された手術はSF作品などでよく見られる光景ですが、もはやフィクションではなく現実の技術になりつつあるようです。

研究の詳細は、2022年1月26日付で科学雑誌『Science Robotics』にて公開されています。

ROBOT PERFORMS FIRST LAPAROSCOPIC SURGERY WITHOUT HUMAN HELP https://hub.jhu.edu/2022/01/26/star-robot-performs-intestinal-surgery/
Autonomous robotic laparoscopic surgery for intestinal anastomosis https://www.science.org/doi/10.1126/scirobotics.abj2908

人間の操作なしに自律ロボットがブタの腸を縫い合わす

工場で動いているロボットは決められた動作しかできない
工場で動いているロボットは決められた動作しかできない / Credit:Canva

現在、人間の代わりに労働をこなすロボットは、自動車製造をはじめ様々な分野に取り入れられています。

決められた距離を移動し、決められた角度で操作を行うロボットは、人間の労働者に比べて安価で精度の高い作業を行うことが可能です。

しかし、現在の製造業で用いられているロボットは事前にプログラムされた内容を実行するだけであり、自らの判断で作業工程を計画・変更する能力は持ちません。

そのため、予測できない動きをする「生きている動物の腸(蠕動運動)」を縫い合わせるなど、常に変化する対象へのアプローチは苦手としていました。

ところが2016年、大きなブレイクスルーが起きました。

新たに開発された自律型ロボットは、優れた視認力を持ち、変化する内臓の動きに応じて操作手順を再計画する柔軟な判断力を備え、生きているブタの腸を見事に縫い合わせる(吻合する)ことに成功したのです。

ですが、この手術には1つ問題がありました。

※次のページでは、実際の手術シーンと眠剤で寝かされているブタの画像が含まれます。ご注意ください。

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