スズメバチの羽音を真似るコウモリの習性を発見
スズメバチの羽音を真似るコウモリの習性を発見 / Credit: canva
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コウモリは「スズメバチの羽音」を真似てフクロウを撃退していた!

2022.05.15 Sunday

Bats tell predators to ‘buzz off’ — literally https://www.livescience.com/buzzing-bats-deter-predators These bats buzz like wasps and bees. The sound may deter hungry owls https://www.sciencenews.org/article/bats-buzz-sounds-mimick-wasps-bees-owls
Bats mimic hymenopteran insect sounds to deter predators https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(22)00486-9?utm_source=EA

ヨーロッパに広く分布する「オオホオヒゲコウモリ(学名:Myotis myotis)」は、フクロウを最大の天敵とします。

フクロウは卓越した狩りの名手であり、その鋭い爪に捕まれば、コウモリは逃げることができません。

しかしこのほど、伊フェデリコ2世・ナポリ大学(UNINA)の研究により、オオホオヒゲコウモリはフクロウ対策として、ある習性を持っていることが明らかになりました。

なんと彼らは、毒を持つスズメバチの激しい羽音を真似ることで、フクロウを追い払っていたのです。

これは、哺乳類(この場合はコウモリ)が昆虫に擬態して、捕食者から身を守る初めての例とのこと。

研究主任のダニーロ・ルッソ(Danilo Russo)氏は「私の知るかぎり、哺乳類における音響的擬態の最初の記録です」と述べています。

研究の詳細は、2022年5月9日付で科学雑誌『Current Biology』に掲載されました。

フクロウの耳には「スズメバチの羽音」と同じに聞こえている

ルッソ氏が、初めてオオホオヒゲコウモリの発する独特の羽音を聞いたのは、1998年にイタリア中部のラツィオ州でフィールドワークをしたときでした。

網目の柔らかいネットでコウモリを捕獲し、網から出そうとした際、「スズメバチの羽音にそっくりの音を出すことに気づいた」といいます。

それから2001年にかけて、野生のオオホオヒゲコウモリを捕獲・観察したところ、同じ「スズメバチの羽音」を出す多くの個体が確認されたのです。

ルッソ氏は「コウモリが天敵の捕食を避けるために、有なスズメバチの真似をしているのではないか」と考えました。

コウモリによる実際の擬態音がこちらです。

この仮説を検証するべく、ルッソ氏とUNINAの研究チームは、野生のオオホオヒゲコウモリの録音を開始。

それらのサンプルを、ヨーロッパ原産のモンスズメバチの羽音と比較しました。

その結果、機械を用いた音声プロファイリングでは、高い確率で2つの音源を区別できたものの、フクロウの可聴域に限定した場合、2つの音波は驚くほど似ていることがわかったのです。

つまり、フクロウの耳には、コウモリの出す音はスズメバチの羽音と同じに聞こえているのでしょう。

次にチームは、コウモリの擬態音とスズメバチの羽音を、メンフクロウとモリフクロウに聞かせる実験を行いました。

その効力やいかに?

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