静電気の帯電と放電を発光で可視化
静電気の帯電と放電を発光で可視化 / Credit:菊永 和也(産総研)_目に見えない静電気分布を発光させることにより直接的な可視化に成功(2022)
physics

来るぞ来るぞ! バチッと飛ぶ静電気を事前回避できる発光材料が登場!

2022.06.04 Saturday

ドアノブを握ろうとして、バチっと静電気が飛んで痛い思いをした経験は誰にでもあるでしょう。

この迷惑な静電気を事前に予測し回避する方法はないのでしょうか?

産業技術総合研究所(略称:産総研)に所属する菊永 和也(きくなが かずや)氏ら研究チームは、静電気の発生を発光で可視化する技術を開発。

この研究は肉眼で確認できるため、静電気トラブルを回避するのに役立つ可能性があります。

研究の詳細は、2022年6月2日付の科学誌『Scientific Reports』に掲載されました。

目に見えない静電気分布を発光させることにより直接的な可視化に成功 https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2022/pr20220602/pr20220602.html
Demonstration of static electricity induced luminescence https://www.nature.com/articles/s41598-022-12704-5

静電気の発生を予測するには?

通常、物質はプラスとマイナスの電荷をバランスよくもっています。

しかし物質同士が当たったり擦れたりすると、マイナスの電荷が片方に移動し、プラスの電荷とマイナスの電荷の状態に偏りが生じます。

物体同士が擦れると、片方にマイナスの電気、もう片方にプラスの電気が集まる。
物体同士が擦れると、片方にマイナスの電気、もう片方にプラスの電気が集まる。 / Credit:Depositphotos

私たちは、このバランスが崩れた状態のことを「静電気を帯びる」と呼んでいます。

人間はプラスに帯電しやすいため、体が他の物質に触れたり、擦り合ったりしているうちに、プラスの電荷を帯びてしまいます。

この状態で金属などの電気を通しやすい物質に手を近づくと、金属の中の電子(マイナスの電荷)が手に引き寄せられます。

そして手が触れた(極度に近づいた)瞬間、マイナスの電荷がプラスに帯電した手に一気に流れ込み(放電という)、人間はバチっという音ともに痛みを感じるのです。

静電気による放電
静電気による放電 / Credit:菊永 和也(産総研)ら, Scientific Reports(2022)

もちろん、この現象は人間以外にも生じます。

人間であれば痛みを感じるだけですが、ドローンやロボットなどの精密機械では、静電気の発生により誤作動が生じることもあるのです。

そのため、静電気がいつ、どこで発生するのか把握する「静電気センサー」が必要とされてきました。

しかし従来の静電気センサーは、対象物の形状や環境によっては正確に測定できません。

そこでチームは、どんな状況でも正確に静電気を測定できる技術を開発することにしました。

次ページ静電気の分布を発光で知らせる新技術

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