「第三波長帯の広帯域化」で1Pbの通信速度を実現
NICTが採用した4コア光ファイバーでは、4つのコアを用いて信号を複数の波長に分解して同時に伝送することで、最大通信速度を向上させています。
また複数の波長帯域を用いることで、さらに多くのデータ伝送を可能にしています。
![3つの波長帯を利用](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/06/20220519-03.png)
商用の帯域(C帯とL帯)に加えて、一般には商用化されていていない第三の波長帯「S帯」を活用しているのです。
2020年3月に秒速0.61Pbを達成した際にも、S帯の一部が利用されていました。
![S帯を拡張](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/06/20220519-07.png)
そして今回の実験では、このS帯を161波長から335波長へと広帯域化し、他2つの帯域も少しずつ拡張。
これにより合計が561波長から801波長まで広がりました。
![今回の成果と過去のNICTの成果との比較](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/06/rgaga.png)
また、全ての周波数帯域で情報密度の高い変調方式(256QAM)を採用しています。
その結果、世界で初めて、51.7kmの距離を毎秒1.02Pbで伝送することに成功しました。
![これまでNICTが伝送実験を実施した主な標準外径光ファイバとその実験結果](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/06/20220519-04.png)
しかもこの新しい光ファイバーは、既存のインフラ、製造設備を活用できるため、早期実用化が可能だと考えられます。
Beyond 5Gの土台となる通信システムを早い段階で実現させることにもつながるでしょう。