人工光合成を利用して植物を「完全な暗闇」で育てることに成功
人工光合成を利用して植物を「完全な暗闇」で育てることに成功 / Credit:Canva . ナゾロジー編集部
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Artificial Photosynthesis Can Produce Food in Complete Darkness https://scitechdaily.com/artificial-photosynthesis-can-produce-food-in-complete-darkness/
A hybrid inorganic–biological artificial photosynthesis system for energy-efficient food production https://www.nature.com/articles/s43016-022-00530-x

2022.06.27 Monday

人工光合成を利用して植物を「完全な暗闇」で育てることに成功

未来の植物は暗闇の中で育成されているかもしれません。

米国のカリフォルニア大学(University of California)で行われた研究により、太陽光発電から得た電力を利用して二酸化炭素と水から栄養素(酢酸)を作る「人工光合成」技術が開発され、本来の光合成よりも高い効率で、植物を栽培することに成功しました

研究ではこの技術を利用することで、通常の光合成を一切行うことなしに、完全な暗闇の中で藻類を育てられることも実証されています。

研究内容の詳細は2022年6月23日に『Nature Food』に掲載されただけでなく、NASAの『深宇宙フードチャレンジ』の一次選抜を突破することにも成功しています。

光合成は素晴らしい仕組みだがエネルギー効率が低い

光合成は素晴らしい仕組みだがエネルギー効率が低い
光合成は素晴らしい仕組みだがエネルギー効率が低い / Credit:Canva . ナゾロジー編集部

太陽のエネルギーを利用する植物光合成は、地球の食料供給を支える重要な生物機能となっています。

しかし光合成において太陽エネルギーから食品へのエネルギー変換効率は1%ほどとかなり低く、約80億人の人類を生存させるために、地球の全陸地の11%に達する広大な耕地面積が必要となっています。

増え続ける人口を支える手段として、耕地を拡大していくことは、自然環境の破壊にもつながります。

そこで近年になって、植物の遺伝子を操作することで、光合成効率を改良する試みが行われるようになってきました。

しかし残念なことに、光合成効率の改善に成功した例は少数に限られており、即時の応用は期待できません。

耕地の質を高めるために肥料を改良する方法も検討されていますが、大規模な肥料の投入は環境汚染のリスクにもなります。

そこで今回、カリフォルニア大学の研究者たちは、非効率な光合成システムを放棄して、栄養の生産を人工光合成に取り換える方法を開発しました。

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