ミツバチみたいに協働する「3Dプリント・ドローン」
![従来の3Dプリンタ建設](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/09/FireShot-Capture-833-71-3D-printing-with-drones-YouTube-www-900x274.jpg)
従来の3Dプリンタ建設には欠点があります。
印刷のためにクレーンなど大型の装置が必要になるため、足場の悪い場所では利用できないのです。
山や被災地での作業も難しいでしょう。
そこで、コーバッチ氏ら研究チームは、ドローンを用いた3Dプリンタ建設を考案しました。
ヒントとなったのはミツバチの巣作りです。
![ミツバチは協働して巣を作る](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/09/37d8b6cb77534955637330b630c26c84-900x600.jpg)
ミツバチは仲間と協働して精巧な巣を作ります。
同様に、3Dプリンタを装備した複数のドローンが、協働して作業に当たればどんな場所にでも建造物を印刷することができるかもしれません。
研究チームが開発したドローンの群れは、飛行しながら3Dプリントする「ビルドローン」と、ビルドローンを監視して次の製造ステップを知らせる品質管理担当の「スキャンドローン」から成り立ちます。
![協働して3Dプリントする](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/09/Paragraph-300.jpg)
まるで現場監督と作業員のように仕事を分担しながら協働するのです。
3Dプリントに使用されるのは4種類の材料を混ぜたセメント状の混合物です。
これは液体でビルドローンのタンクに積まれており、ノズルから泡状になって発射された後、固化します。
![液体のセメント状材料が、ノズルから泡状に膨張して発射され、後に固化する](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/09/FireShot-Capture-830-71-3D-printing-with-drones-YouTube-www-900x341.jpg)
射出された材料が何層も重なることで、立体的な建造物が完成するのです。
概念実証では、ポリウレタンベースの発泡剤を用いた2.05メートルの円柱(72層)と、セメントに似た材料を用いた18cmの円柱(28層)がプリントされました。
それぞれのドローンは自律的に飛行して3Dプリント作業を行えますが、スキャンドローンから得られる情報に基づいて人間が介入することも可能です。
![ビルドローンによる3Dプリントと連携テスト](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/09/joinesgifimage-1696808-1.gif)
現段階では、ドローンの連携と建設が実験室で実証されたにすぎません。
最終的には、現場での3Dプリントを成功させる必要があるでしょう。
![建設が難しい場所でドローンが活躍するかも](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/09/FireShot-Capture-829-71-3D-printing-with-drones-YouTube-www.youtube.com_-900x439.jpg)
それでもこの新しい取り組みは大きな可能性を秘めています。
高所など、足場や作業スペースが十分に得られない場所でも、ドローンを使って容易に建設・修理できるのです。
また被災地での救援建設など、危険地帯での作業にも向いており、リスクを抑えつつ、大幅なコスト削減も可能だと考えられます。
人間の代わりにドローンが家を建ててくれる未来は、そこまで遠くないのかもしれませんね。