デボン紀の大量絶滅は「木の根」が原因だった!?
デボン紀の大量絶滅は「木の根」が原因だった!? / Credit:Canva
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Evolution of tree roots may have driven mass extinctions https://news.iu.edu/live/news/18907-evolution-of-tree-roots-may-have-driven-mass
Enhanced terrestrial nutrient release during the Devonian emergence and expansion of forests: Evidence from lacustrine phosphorus and geochemical records https://pubs.geoscienceworld.org/gsa/gsabulletin/article/doi/10.1130/B36384.1/618814/Enhanced-terrestrial-nutrient-release-during-the

2022.11.16 Wednesday

「デボン紀の大量絶滅」の原因は”木の根”だった!?

今から3億年以上前の古生代・デボン紀では、海洋生物を中心に約8割の生物が絶滅したと考えられています。

その原因には、これまで「超新星爆発によるオゾン層破壊」説、「大規模火山の噴火」説などが挙げられてきました。

今回、アメリカの「インディアナ大学-パデュー大学インディアナポリス校(IUPUI)」地球科学科に所属するガブリエル・フェリッペリ氏ら研究チームは、新たに「木の根による藻類繁殖」説を発表

当時起こった「木の根」の変化によって海へ栄養分が放出され、藻類が爆発的に繁殖。生物たちは酸素不足で絶滅してしまったというのです。

研究の詳細は、2022年11月9日付の科学誌『Geological Society of America Bulletin』に掲載されました。

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木が枯れると根から栄養分が放出されて「藻類が繁殖する」

過去、地球上では5つの大規模な大量絶滅があったと考えられています。

そのうちの1つは、約3億7400年前に発生した古生代・デボン紀の大量絶滅です。

この時までに、陸上には植物と昆虫が繁栄しており、海には多種多様な海洋生物が存在していました。

デボン紀の水中生物
デボン紀の水中生物 / Credit:Joseph Smit(Wikipedia)_Devonian

しかし、大量絶滅によって海洋生物の約8割が滅んでしまいました。

では、この大量絶滅の原因は一体何だったのでしょうか?

インディアナ大学のフェリッペリ氏ら研究チームは、「木の根」が関係していたと考えています。

通常、根は木の成長と共に土から多くの栄養分を吸い上げますが、その木が枯れることで、栄養分を水中に一気に放出します。

つまり地球規模で木々の成長と衰退が起こると、海は突然、過剰な栄養分で溢れることになります。

そしてこの過剰な栄養分により、藻類が大量繁殖

海の酸素の大部分を枯渇させ、多くの生物が絶滅へと追いやられたというのです。

「藻類の大量繁殖」によって酸素不足になる
「藻類の大量繁殖」によって酸素不足になる / Credit:Canva

ちなみに、水域が栄養の貧しい状態から富んだ状態に移行する現象は、「富栄養化(ふえいようか)」と呼ばれています。

現在でも五大湖やメキシコ湾では、富栄養化が原因で生物が生息できない「デッド・ゾーン」が形成されているようです。

もしかしたら、はるか昔にも、世界規模の富栄養化が生じていたのかもしれません。

では研究チームは、どんな根拠でこの新しい説を唱えているのでしょうか。

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