全指向性の風力タービン「O-ウインドタービン」
現在、風力発電機の主流は風車型です。
風でプロペラを回転させ、電力を生み出しているのです。
![風車型の風力発電機](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/12/cfa8b3e1fa50b36f2dba85e72feba21e-1-900x600.jpg)
しかし、このタイプの風力発電機には指向性(方向によって得られる力が異なる)があります。
プロペラの前方から風が来れば最高の効果を発揮しますが、横や斜めから流れてくる風では発電効率が悪くなるのです。
大規模な発電を行っている風力発電機では、このデメリットを解消するために、絶えず風の来る方向にプロペラの正面を向けるような機能が搭載されています。
しかし、個人で使用するような簡易の小型風力タービンでは、風が来る方向を向きにくかったり、乱風ではうまく回転しなかったりします。
![提灯みたいな風力タービン](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/12/FireShot-Capture-1008-omnidirectional-bladeless-wind-turbine-produces-electricity-as-it-s_-www.designboom.com_.jpg)
こうした弱点を改善すべく開発されたのが、全指向性風力タービン「O-ウインドタービン」です。
従来の風力タービンとは全く異なった形をしており、まるで薄い提灯のようです。
![プロペラのない新しい風力タービン](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/12/73kob9-3.gif)
至る所に通気口があるため、どんな方向から風が来ても、それらの風を内部に取り入れることができます。
![あらゆる方向の風を発電に利用できる](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/12/FireShot-Capture-1005-omnidirectional-bladeless-wind-turbine-produces-electricity-as-it-s_-www.designboom.com_.png)
発電は、流体のエネルギー保存則である「ベルヌーイの定理」を応用した構造によって生み出されます。
通気口の入り口は大きく、出口が小さいことから、風が入ると内部で圧力が変化し、タービンが動くようになっているのです。
![都市部での設置・利用が可能](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/12/FireShot-Capture-1006-omnidirectional-bladeless-wind-turbine-produces-electricity-as-it-s_-www-900x444.jpg)
そしてコンパクトなデザインなので場所を取らず、吊り下げて設置できます。
さらに静かで安全性も高いので、個人宅や都市部での設置に向いており、マンション住まいの人も活用できるとのこと。
外にぶら下げておくだけで家庭レベルの電力を生み出してくれるので、利用したい人は多いかもしれませんね。
![プロトタイプをテスト中](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/12/73ko4q-1.gif)
ちなみに現在はプロトタイプのテスト中です。
その実験では、O-ウインドタービンが風の強さにかかわらず全指向性を示したと報告されています。
今後は、急な突風にも耐えられるかテストしていく予定です。