「水で満たされたガラス窓」が太陽光を受け止める
断熱効果を高める方法として一般的なのが「二重窓(窓の内側に別の窓があるもの)」や「ペアガラス(ガラス自体が2層になっている)」です。
どちらもガラスとガラスの間に空気層が生まれ、これが断熱効果を高めてくれるのです。
ところがWater-Filled Glass社は、ガラスとガラスの間に空気ではなく、水を満たすという新たな断熱システムを開発しました。
![「水で満たされたガラス窓」では、内部の水ポンプで入れ替わる](https://nazology.net/wp-content/uploads/2023/01/FireShot-Capture-1118-water-filled-windows-passively-insulate-buildings-using-sunlight_-www.designboom.com_.png)
この「水で満たされたガラス(WFG:Water-Filled Glass)窓」は、単に水をガラスで挟んでいるだけではありません。
それぞれの窓が建物のポンプと繋がっており、内部の水をいつでも交換できるのです。
WFG窓は季節に応じて、次のように働きます。
夏に強い日差しが窓に当たると、水が熱を受け取るため、室内の温度上昇が抑えられます。
![夏はいつでも冷水でガラス内部が満たされる。温まった水は蛇口から利用できる](https://nazology.net/wp-content/uploads/2023/01/7334fd81c1b45f3851ba4de8f925a587-900x555.jpg)
窓内部の水が一定の温度に達すると、その温水をポンプで排出。壁のパイプを通って建物内の貯蔵タンクに移動させます。
同時に「まだ太陽光を浴びていない冷水」が、入れ替わるようにして元の窓の隙間に供給されるのです。
そして貯蔵された温水は蛇口から使用でき、シャワーやお風呂のために利用できます。
貯蔵された温水の温度は「高くてもせいぜい40℃」だと言われており、場合によってはもっと低温のぬるま湯でしょう。
それでも給湯器の稼働エネルギーを低減させるには十分です。