火星の表面にいる「クマ」
火星の表面にいる「クマ」 / Credit:NASA/The University of Arizona
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火星の表面に「クマ」にしか見えない地形を発見w

2023.01.28 Saturday

火星の表面に人面の山がある、という話題は誰もが見たことがあると思います。

しかしアメリカ・アリゾナ大学(The University of Arizona)は、2023年1月25日人面岩よりもっとユニークな火星表面の画像を共有しました。

そこにはどう見ても、「クマの顔面」にしか見えない火星の地形が映っています。

A Bear on Mars? https://www.uahirise.org/hipod/ESP_076769_1380 When You Look At Mars And A Giant Bear Stares Back https://www.iflscience.com/when-you-look-at-mars-and-a-giant-bear-stares-back-67265 You’ll Need Keen Eyes to Spot NASA’s Mars Helicopter in This Rover Image https://www.cnet.com/science/space/youll-need-keen-eyes-to-spot-nasas-mars-helicopter-in-this-rover-image/

火星表面の模様が「可愛いクマ」にしか見えない

月の表面はウサギに見える
月の表面はウサギに見える / Credit:D.Helber(Wikipedia)_パレイドリア

月を眺めると、その表面の模様がまるでウサギの形に見えることがあります。

これはパレイドリア」と呼ばれる心理現象が原因です。

人は、関連性のないランダムな模様を見たとき、普段からよく知っているものに当てはめる傾向があるのです。

加えて、一度認識してしまうと、それ以外のパターンには見えなくなるという効果もあるようです。

人面魚や人面岩と呼ばれるものがたびたび話題に上るのも、こうした効果によるものです。

そして最近、私たちに新たなイメージを植え付ける「火星の画像」が共有されました。

公開された火星表面の画像。クマの顔面に見える
公開された火星表面の画像。クマの顔面に見える / Credit:NASA/The University of Arizona

おそらくこの画像の見え方に異論を挟む人は少ないでしょう。

誰がどう見てもまるでクマの顔面のようであり、テディベアのようなつぶらな瞳がこちらを見つめています。

この画像は、火星を周回している多目的探査機マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)」に搭載されたカメラ「HiRISE」が捕らえたものです。

2022年12月12日、MROが火星の約251キロメートル上空を飛んでいるときに、火星表面のクレーターとその内部の独特なパターンを見つけたのです。

研究者たちは、この場所を「古代のクレーター」だと推定しています。

もともとは通常のクレーターでしたが、内部が堆積物で埋まることで、「クマの輪郭」のような割れ目だけが残ったと考えられています。

耳と蝶ネクタイを追加すると、まるでテディベア
耳と蝶ネクタイを追加すると、まるでテディベア / Credit:NASA/The University of Arizona with some *small* additions by IFLScience

また「クマの鼻と口」は崩れかけの丘であり、もともとは火山噴出口か泥噴出口だった可能性があります。

そして溶岩か泥が流出してクレーターを埋める堆積物となった後、噴出口が崩壊。現在のV字型が残ったのです。

最後に、クレーターが埋まってから長い年月が経った後、「クマの目」である2つの小さなクレーターができました。

全て偶然の結果であり、この画像も単なる「火星の表面」ですが、一度クマと認識してしまうと、それ以外には見えませんね。

実は、「何かに見える火星表面」は「クマの顔面」以外にも存在してきました。次項で紹介します。

次ページ他にも存在する「何かに見える」火星表面

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