群れで泳ぐミナミハンドウイルカ
群れで泳ぐミナミハンドウイルカ / credit:フォトAC
biology

肌がツルツルで歳が不明なイルカを「見ただけで年齢測定する方法」を発見!

2023.03.18 Saturday

野生動物の保全において、個体の年齢を把握しておくことはとても重要です。

しかし人間と違い、動物は成熟後の見た目の変化が乏しく、正確な年齢を把握することは簡単なことではありません。

そんな中、近畿大学農学部を中心とした研究グループが野生のイルカに対する画期的な年齢測定法を発表しました。

この研究の詳細は2022年1月31日付けで「Marine Mammal Science」に掲載されています。

世界初!イルカに触れずに年齢を推定する方法を開発 野生ミナミハンドウイルカの生態解明と保全に繋がる研究成果 https://newscast.jp/news/6809391 野生ミナミハンドウイルカの斑点模様の年齢や雌雄による違いを発見 生体を傷つけない年齢推定法の開発につながる世界初の研究成果 https://newscast.jp/news/5374302
Noninvasive age estimation for wild Indo-Pacific bottlenose dolphin (Tursiops aduncus)using speckle appearance based on Quantification-theory model I analysis https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/mms.12845 イルカのハイパーセンサ(PDF) https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/31/3/31_3_134/_pdf

実はわかりづらいイルカの年齢

イルカの年齢は見た目ではわからない
イルカの年齢は見た目ではわからない / credit:フォトAC

毛の生えた動物ならば毛の艶などである程度の年齢が推測できますが、イルカの場合は艶々の表皮は年をとってもほとんど変わることがなく、見た目からだとおおまかな年齢を推測することすら困難です。

しかし野生のイルカの生態を解明し、保全活動を行う上では、イルカの群れの年齢分布や年齢による死亡率などの把握が欠かせません。

歯や耳垢からの年齢測定は生きている個体には困難

イルカの歯
イルカの歯 / credit:フォトAC

これまでのイルカの年齢を測定する方法としては、歯の断面にできる層を数える方法や、耳穴をふさいでいる耳垢の層を数える方法などがありました。

しかし、歯はもちろんのこと実は耳垢も生きている個体から採取するのは困難なものです。

イルカの耳にとって耳垢は耳栓のようなもの。

イルカは下あごの骨の振動が直接内耳に伝わって音を把握しているため、耳穴は耳垢でずっとふさがれている状態がデフォルトであり、耳垢を人間のように簡単に取り出すことはできないのです。

このため、この2つの方法は生きた個体には使えず、死んだ個体を回収することでしか年齢を知ることはできませんでした。

出生時から年齢を数えるしかない

イルカの親子
イルカの親子 / credit:フォトAC

生きた個体の年齢を把握するためには、新しく生まれた個体を識別し、そこから年齢をカウントしていく方法しかありません。

しかしこの方法では調査開始以降に生まれたイルカしか正確な年齢を判断できません

そこで開発されたのが、イルカの「外観」画像から年齢を測定する方法です。

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