簡単な文章を元に3Dモデルを生成するAIシステム
![画像生成AIはクリエイターに大きな影響を与えている](https://nazology.net/wp-content/uploads/2023/05/rhayyy.jpg)
画像生成AIが最初に登場して以来、このツールは瞬く間に世界中に広がりました。
現在進行形でその技術は向上しており、「AIが出力した画像」と「クリエイターが描いた絵」の見分けがつかないケースも増えてきました。
もちろんAIの画像にはAI特有の傾向や様々な欠点が見られますが、簡単な指示だけで瞬時に何パターンもの画像を生成してくれる点は、人間では成しえない強みだと言えます。
OpenAI社は2D画像で起きているこの現象を、3Dモデルの分野でも生じさせようとしています。
彼らは2022年の12月、3Dモデルを生成するAIシステム「Point-E」をリリースしました。
![2022年に発表された「Point-E」が生成した3Dモデル。小さな点が集まってできている](https://nazology.net/wp-content/uploads/2023/05/a43dae82f7844b5f36e9a53821230431-900x227.jpg)
Point-Eは3D点群(3次元座標を持つ点データの集合)により3Dモデルを生成します。
これは文字通り小さな点が集まってできた3Dモデルであり、サンプルを見る限りでは、お世辞にも質が良いとは言えません。
ところがそれからわずか数カ月後、OpenAI社は3Dモデルを生成する新しいAIシステム「Shap-E」をリリースしました。
![Point-E(左)とShap-E(右)の比較。](https://nazology.net/wp-content/uploads/2023/05/FireShot-Capture-1284-from-avocado-chair-to-banana-plane-OpenAIs-new-tool-generates-text_-www.designboom.com_-878x600.jpg)
Shap-EはPoint-Eとは異なり、陰関数によって形状を表現しているため、従来のシステムよりも複雑で正確な3Dモデルを生成できます。
Point-EとShap-Eが生成したモデルを比較すると、質の違いは明らかですね。
しかもこれらは、人間が短い文章もしくは画像で指示を与えるだけで、瞬時に生成されるというのだから驚きです。
![新しい3Dモデル生成システム「Shap-E」が生成したモデル。より繊細な造形が可能に。](https://nazology.net/wp-content/uploads/2023/05/24c1d766260e825459054959a01abf51-759x600.jpg)
「ペンギン」「緑のブーツ」などの一般的なワードだけでなく、「アボカドみたいな椅子」「バナナみたいな飛行機」といった現実にはない独自のデザインも生成可能です。
もちろんPoint-Eから大きく進化したとはいえ、Shap-Eが生成する3Dモデルのサンプルのレベルは高くありません。
かなり昔のゲームであれば違和感はありませんが、現代レベルのモデルではないでしょう。
それでもShap-Eは様々な可能性を秘めており、今後の応用を考えると、技術者だけでなく、一般ユーザーですらワクワクできます。