メガロドンは体温が海水より高い「温血動物」だった!
メガロドンは体温が海水より高い「温血動物」だった! / Credit: UCLA – Megalodon was no cold-blooded killer(2023)
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実は冷血漢じゃない?メガロドンは「温血動物」だった! (2/2)

2023.06.28 Wednesday

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メガロドンの体温は周囲の海水温より7℃も高かった!

ホオジロザメ(左)とメガロドン(右)の歯
ホオジロザメ(左)とメガロドン(右)の歯 / Credit: UCLA – Megalodon was no cold-blooded killer(2023)

チームは具体的な方法として、メガロドンの同位体と同時期にいた古代ザメの同位体の間に違いがあれば、メガロドンがどれほど自分の体を温められたかが分かると考えました。

そこでメガロドンと同時代の古代ザメの歯を世界5カ所から集め、質量分析計によって同位体を分析。

先行研究をもとに歯が採取された各場所の海水温を推定した結果、メガロドンの体温は一貫して、周囲の海水温よりも約7℃ほど高くなっていることが示されたのです。

この温度差は他の古代ザメよりも大幅に高く、メガロドンを「温血動物」と呼ぶに十分なものでした。

こうした体温の高さのおかげで、メガロドンは海中を高速で移動し、生息域を拡大しながら、世界中の海を恐怖のどん底に陥れる捕食者にのぼり詰めることができたのでしょう。

体温の高さが逆に絶滅につながった?

体温の高さが裏目に出た?
体温の高さが裏目に出た? / Credit: UCLA – Megalodon was no cold-blooded killer(2023)

他方で研究者たちは「その進化上の利点が、今度は逆にメガロドンの絶滅につながった可能性がある」と指摘します。

というのも、メガロドンの末期にあたる533万〜258万年前に「地球規模の寒冷化」が起こったからです。

寒冷化によって海水が冷たくなると、メガロドンほどの高体温を維持するには膨大なエネルギーがかかるようになります。

そのためには食事量を増やす必要がありますが、獲物を捕らえるための動きが鈍っている上に、生態系の変化によって餌も入手しづらくなっていたはずです。

よって、この激動の時代を生き抜くのに、メガロドンの体温戦略は明らかに持続可能なものではなかったと考えられます。

こうした燃費の悪さがメガロドンを絶滅に追いやったのかもしれません。

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