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humanities

創造的な頭脳はやることのない時間を「退屈」とは感じない (2/2)

2023.07.15 Saturday

前ページ人は暇な時間を与えられると創造的になる

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創造的な頭脳は暇になると連想を始める

ラファエリ氏らの研究チームは、「創造的な人々」が暇な時間に何を考えるか、どのように思考するのかを、2つの実験で調査しました。

第一の実験では、81名の成人が参加しました。参加者は10分間デジタル機器の使用を禁止され、一人で創造性を測る問題に対して思いついたことを声に出して話すことが求められました。

参加者の創造性の評価には「発散的思考タスク(a divergent thinking task)」というテストが用いられました。

「発散的思考タスク」とは、さまざまな回答が可能な問題に対し、どれだけ多くの独創的な解決策が提案できるかを調査するテストで、解答の多彩さによってその人の創造性の高さを評価します。

本研究においては、「100本の輪ゴムを使ってどのようにお金を稼ぐか?」などの質問がされました。

この実験は、ただ思いついたことをしゃべるというだけなので、人によってはかなり退屈な作業となるでしょう。

創造性の高い人の思考は緩やかにつながっている。
創造性の高い人の思考は緩やかにつながっている。 / Credit: unsplash

しかし結果を見ると、発散的思考タスクで「新規性や独自性を示すスコア」が高かった参加者、すなわち「創造的な人々」は、携帯電話やインターネットなどが使えない一人の時間を、あまり退屈せずに過ごしていたことがわかりました。

彼らはこの時間を自分の思考に深く没頭するために用いており、またその思考内容を口に出して話す際、多くの言葉を用いて表現する傾向があるとわかりました。

さらに、彼らが思考を言葉にするとき、「これは…を思い起こさせる」や「そう言えば…」といった表現を頻繁に用いており、1つのアイデアからさらに多様なアイデアへと連想している様子が伺えました。

この結果について、研究の筆頭著者であるラファエリ氏は、次のように説明しています。

「一般に、人々の思考はランダムに異なるトピックやアイデア間を飛び回る傾向があります。しかし創造的な人々は、一見すると無関係な思考でも、何らかの関連性を見つけ、思考の流れを作り出す傾向がありました

第二の実験では、COVID-19パンデミックの制約下で、ひとりで「やるべきことがない時間」を過ごす2,612人の成人を対象としました。

この実験では、参加者にオンラインアンケートで「自分が創造的だと思うか」および「COVID-19の拡散に伴い、あなたはどの程度退屈しましたか」などの質問に回答してもらいました

すると、自らが「創造的である」と認識している参加者は、パンデミックで制限が科された期間中も「退屈していなかった」と回答したのです。

本研究は、創造性に富む人々は「やるべきことがない時間」を得たとき、それを創造の時間とする傾向があることを示しました。この結果は、私たちが時間を「埋める」ためにスマホや他のデバイスに頼ることが、実は創造性を妨げている可能性を示しています。

もしあなたが創造性のある人間ならば、何もすることのない「退屈」な時間に、すぐにスマホへ手を伸ばすのはやめましょう。

何もすることがない退屈な時間は、あなたの想像力を最大限に発揮させるチャンスになるかもしれないのです。

「私たちは、家庭、職場、学校などで、深い思考をする時間を尊重し、リラックスした環境を整えるべく努力をするべきだと思います」と、研究に参加したアンドリュース=ハンナ氏はコメントしています。

「人々の思考パターンを理解することで、人々がより健康で、幸せな生活を送るための新たな支援方法が見つかるかもしれません」

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