ケンブリッジ大学が作成した「中世殺人マップ」
ケンブリッジ大学が作成した「中世殺人マップ」 / Credit:University of Cambridge – MedievalMurderMap
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中世英国の驚くほど詳細な事件ファイルがプロットされた『中世殺人事件マップ』

2023.10.01 Sunday

イギリスのケンブリッジ大学がとんでもないWebサイトを作っていました。

中世の殺人マップと題されたそのサイトは、中世後期、主に1300年代前半のロンドン、ヨーク、オックスフォードといった大きな都市で起きた多くの殺人事件を掲載しています。

実際に地図を見ながら武器のアイコンをクリックすることで、殺人事件が発生した日時、使用された武器や傷の深さ、加害者と被害者の名前、事件の経緯などの情報を驚くほど詳細に見ることができます。

まるで日本の某事故物件サイトと同じような感覚で、地図を見ながら、学生たちの大乱闘による殺人事件から、学者による暗殺まで、様々な殺人事件の詳細を見ることができてしまうのです。

思わず次から次へと殺人事件を見てしまうサイトですが、なぜ約700年も前の多くの殺人事件の詳細がわかるのでしょうか。

そして、そもそもケンブリッジ大学はなぜこのようなサイトを作ったのでしょうか。

MedievalMurderMap https://medievalmurdermap.co.uk/ Oxford Was The Murder Capital of Late Medieval England, And It Was All Because of Students https://www.sciencealert.com/oxford-was-the-murder-capital-of-late-medieval-england-and-it-was-all-because-of-students

中世の殺人マップを見てみよう

さっそく中世の殺人マップとはどのようなサイトなのか見てみましょう。

中世の殺人マップTOPページ
中世の殺人マップTOPページ / Credit:University of Cambridge – MedievalMurderMap

上部の絵は少し可愛らしくも見えますが、よく見ると皆が武器を持っているようにも見えます。

説明書きには「中世に繁栄した3つの都市(ロンドン、ヨーク、オックスフォード)の殺人事件などを見つけてください。ピンをクリックすることで検視官名簿の記録を読むことができます」といった内容が記されています。

約700年も昔の殺人事件などの情報が詳細に残っているのは、検視官の名簿が保存されていたからのようです。

このマップを作成したのはケンブリッジ大学の暴力研究センターで、その目的はマップを探索して歴史上の暴力犯罪を学ぶことだといいます。

では、実際のどのような事件があったのか見てみましょう。

1300年代のロンドンで起きた殺人事件

まずはイギリスを代表する都市、ロンドンを選択してみます。

画像
Credit:University of Cambridge – MedievalMurderMap

当時のロンドンに関する情報の他、画像右側に殺人事件に使用された武器のアイコンが描かれています。

使用された武器は下記の種類に分類されています。

  • 長刀
  • 短刀
  • ポールアックス(長柄斧)/ パイクスタッフ(槍のような尖った杖)
  • 弓矢
  • 不明

ゲームの中でしか見ないような武器も使用されていたようです。

また、事件の種類も様々です。

殺人事件以外では、事故、病気、教会、刑務所というカテゴリに分かれており、教会では犯罪者が逃げ込んで罪の告白をした情報や、刑務所では服役中に死亡した人の情報が掲載されています。

なお、殺人事件以外の情報があるのは3都市の中でもロンドンだけのようです。

それでは次に、実際にアイコンをクリックしていくつかの殺人事件の詳細を見てみます。

次ページ詳細に記される殺人事件の数々

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