飛び跳ねて移動するドローン
飛び跳ねて移動するドローン / Credit:Songnan Bai(City University of Hong Kong)_Adding a telescopic leg beneath a quadcopter to create a hopping drone(2024 Tech Xplore)
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6分の稼働時間を1時間に延長!「ぴょんぴょん跳ねる」ホッピングを装備したドローン (2/2)

2024.04.17 Wednesday

前ページドローンの欠点を補うホッピング付きクアッドコプター

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6分しか保たないバッテリーで1時間跳ね続ける「ホップコプター」

ホップコプターの構造
ホップコプターの構造 / Credit:Songnan Bai(City University of Hong Kong)_Adding a telescopic leg beneath a quadcopter to create a hopping drone(2024 Tech Xplore)

屋内テストでは、平均ジャンプ高度1.63mだったようです。

そして重要なのは、バッテリー1回の充電で50分間も飛び跳ね続けることができたという点です。

一方、通常の飛行モードでは、わずか6分間でバッテリーが切れました。

この事実からも追加されたホッピング機能がどれだけ消費電力の節約に役立っているか理解できます。

実験では50分も飛び跳ね続けた
実験では50分も飛び跳ね続けた / Credit:Songnan Bai(City University of Hong Kong)_Adding a telescopic leg beneath a quadcopter to create a hopping drone(2024 Tech Xplore)

ちなみに、ホッピング機能に頼ることで、ドローンの飛行時間だけでなく、積載量もいくらか増えるようです。

研究チームは、ホップコプターを望み通りに、ある場所から別の場所へと簡単に移動させたり、瞬時に方向転換させたりできることを発見しました。

ちなみに、通常の飛行モードでは、そのような高速急旋回は不可能です。

「ホッピング」が緩衝装置としても役立つ
「ホッピング」が緩衝装置としても役立つ / Credit:Robotics and Intelligent Systems Lab, CityU HK(YouTube)_An Agile Monopedal Hopping Quadcopter with Synergistic Hybrid Locomotion(2024)

また、状況に応じて飛行モードとホッピングモードを切り替えることで、様々な地形に対応できる可能性も見出しました。

加えて、凸凹の地面でも上手く飛び跳ねたり、壁を蹴ったりするトリッキーな挙動制御も実現。

ドローンは複雑な地形では壁などに衝突して損傷する危険がありますが、このポップコプターでは足を緩衝装置のように用いて、壁やその他の構造物にぶつかる際に、本体の損傷を防ぐことができ、さらにこれを方向転換や加速に利用できるのです。

クアッドコプターの上部にスタビライザーを取り付けることも可能
クアッドコプターの上部にスタビライザーを取り付けることも可能 / Credit:Robotics and Intelligent Systems Lab, CityU HK(YouTube)_An Agile Monopedal Hopping Quadcopter with Synergistic Hybrid Locomotion(2024)

さらに機体の上部に羽のようなスタビライザー(安定化装置)を取り付けることで、ジャンピング移動をより安定させられます。

これにより、狭い廊下や階段であっても難なく移動できるようです。

研究チームによると、「ホップコプターの重さは約35gと非常に軽量であり、小鳥ほどのサイズ」とのこと。

彼らは、ホップコプターのようなドローンが、森の中を飛び跳ねながら野生動物を監視したり、災害地域で生存者を捜索したり、農場で植物から植物へ飛び跳ねて移動し、土壌や水分レベルを検査したりできると考えています。

スタビライザーを取り付けた「ホップコプター」は安定性が増し、階段などでも楽に移動できる
スタビライザーを取り付けた「ホップコプター」は安定性が増し、階段などでも楽に移動できる / Credit:Robotics and Intelligent Systems Lab, CityU HK(YouTube)_An Agile Monopedal Hopping Quadcopter with Synergistic Hybrid Locomotion(2024)

もちろん、「空中浮遊」という観点では、ホップコプターも従来のドローンと同じく、短時間しか飛行できません。

それでも、小型ドローンに求められている役割の大部分は、電力をほとんど消費しない「ホッピング」でも代替できるため、このアイデアは画期的だと言えます。

もしかしたら将来、森林や農場、災害地域を、多くのホップコプターが飛び跳ねていく様子が見られるかもしれません。

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