運動中は競争相手がいるかどうかに関係なく、時間がゆっくり進むように感じる
運動中は競争相手がいるかどうかに関係なく、時間がゆっくり進むように感じる / Credit:Canva
psychology

「運動中は時間の経過を遅く感じる」がキツさはあまり影響しない (2/3)

2024.05.01 Wednesday

前ページ運動中は「時間がゆっくり過ぎている」ように感じる

<

1

2

3

>

できるだけ早くゴールを目指す「サイクリング・トライアル」実験

今回の実験には、普段から頻繁に運動を行う33人の参加者(男性17人、女性16人)が加わっています。

そして彼らに、エアロバイクと大型スクリーン、画面上のアバターを使った「サイクリング・トライアル」を行ってもらいました。

できるだけ早くゴールするサイクリング・トライアルの実験。イメージ。
できるだけ早くゴールするサイクリング・トライアルの実験。イメージ。 / Credit:Canva

ちなみに、参加者全員は、普段からサイクリングをしているわけではなく、自転車のタイムトライアルに参加した経験もありませんでした。

つまり、普段から体をよく動かしている人たちに、あまりなじみのないサイクリング・トライアルに参加してもらったわけです。

この実験では、画面上に3Dの4kmの直線コースを映し出し、参加者に「4kmのサイクリング・トライアルをできるだけ早く終わらせるようにしてください」とお願いしました。

その上で、参加者たちは次の3つの条件でトライアルに挑みました。

  1. スクリーンには参加者のアバターのみが表示され、できるだけ早くゴールする
  2. 参加者のアバターの横に仲間のアバターが表示され、できるだけ早くゴールする
  3. 参加者のアバター以外に、対戦相手のアバターが表示され、対戦相手よりも先にゴールする

そして、それぞれのトライアルにおいて、運動前、運動中(500m地点、1500m地点、2500m地点)、運動後に、参加者の時間の認識がズレているかどうか調べました。

彼らにはその調査の中で、「30秒経った」と感じた時にそのことを申告してもらい、実際の経過時間と比べました。

さらに運動中は、自覚的運動強度(Rating of perceived exertion)も測定されています。

これは「行っている運動をどれくらいきつく感じるか」を段階的に示したもの(努力なし、楽、きつい、最大努力など)です。

次ページ運動中は競争相手の存在ややつらさとは無関係に時間の進みが遅く感じる

<

1

2

3

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

心理学のニュースpsychology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!