砂糖が含まれた飲料をとりすぎる悪影響は腰にも及ぶ可能性
砂糖が含まれた飲料をとりすぎる悪影響は腰にも及ぶ可能性 / Credit: Canva
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【砂糖ヤバい!】ペットボトル症候群は腰痛の原因にもなっていた (2/2)

2024.07.24 Wednesday

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加糖飲料を飲みすぎる健康リスク

調査の結果分かったのは、加糖飲料をよく飲んでいる人たちは慢性腰痛を抱えている傾向があるということです。

具体的な数値を言うと、加糖飲料を全く飲まない人に比べると、1日当たり200kcal以上飲んでいる人たちでは、慢性腰痛を抱えがちという結果が得られています。

一例として、サイダーには100mL中に砂糖類が約10g(40kcal)含まれており、500mlのペットボトルを1本飲むと、それだけで砂糖類の摂取量は50g(200kcal)に達します。

研究グループは、加糖飲料を飲んでいる人たちで慢性腰痛を抱えがちな傾向があった理由について、炎症、代謝、栄養、生活習慣および心理的要因の関与を挙げています。

例えば、加糖飲料に含まれる砂糖類は、体内の炎症レベルを高めてしまうため、慢性腰痛をはじめとする身体に痛みを生む症状を悪化させる可能性があります。

また、加糖飲料をよく飲む人たちは、座りがちな生活習慣やストレスを抱えている傾向があり、これは慢性腰痛へのリスク要因となります。

反対に、加糖飲料を控え、水、炭酸水、緑茶、麦茶、ハーブティーなどを選ぶことで、腰への負担にも関わる体重管理の手助けにもなります。

ただ、今回の研究は、あくまでも加糖飲料の摂取量と、慢性腰痛に着目した統計研究であり、両者の因果関係を明らかにしているわけではありません。

そのため確実なことを言うためには、加糖飲料で本当に腰痛が悪化するのか? という因果関係を明確にする追加の調査が必要であると研究グループは述べています。

腰痛を抱えがちな人は飲み物にも気を配ろう
腰痛を抱えがちな人は飲み物にも気を配ろう / Credit: Canva

一方で、2023年にはブラジルのマラニャン国立大学(Federal University of Maranhão)に所属する研究グループらから、6000人以上を対象とした研究において、加糖飲料の摂取が多い人の腰椎の骨密度が低いことも報告されており、加糖飲料の飲みすぎが腰に負担を与えることを示唆する別の報告も存在します。

また、加糖飲料の飲み過ぎは、慢性腰痛以外にも、肥満糖尿病、慢性腰痛病などの健康リスクを高めるため、加糖飲料の飲みすぎに気を付けた方が良いことは間違いありません。

ちなみに、こういった加糖飲料に関する研究では、仮に糖分が含まれていても、ビタミンやミネラルなどの健康にプラスの効果が期待できる栄養素を多く含む牛乳や100%ジュースなどは加糖飲料とは扱われていません

実際、2024年に入って発表されたイギリスの長期大規模バイオバンク研究「UKバイオバンク」の成果を見ても、加糖飲料から100%ジュースに変えることで、新たな国民病とも呼ばれる慢性腎臓病のリスクが減らせる可能性も示されています。

以上、近年発表された一連の研究を踏まえると、加糖飲料を飲み過ぎている人たちは、飲み物の選択を工夫することで、腰痛や全体的な健康状態の改善が期待できるでしょう。

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