ハダカデバネズミがほぼ老化しないことが発見、哺乳類で唯一

biology 2018/01/31

一見醜い容姿のハダカデバネズミですが、実はスゴイ動物だということを知っていますか?

彼らはガンになりにくい上に痛みに耐性があり、さらに酸素がなくても18分も生きられるのです。しかし最近発表された論文によると、その1番の特徴は「老化」しないこと

数千のハダカデバネズミの生存歴を研究した結果、ハダカデバネズミが歳をとっても死亡率が変わらないことがわかりました。現在知られている他の哺乳類生物では、死亡率は年齢とともに上がります。科学者の中には、結論に飛びつくことに警告する人もいますが、多くの科学者が、この新しいデータが重要で劇的なものであると言っています。

科学者たちは長らくこのハダカデバネズミに注目していました。ハダカデバネズミは、ふだん地下にある大きなコロニーに住んでいます。注目点は、老化の兆候を示すサインがほとんどなく、このサイズの齧歯類として想定される寿命をはるかに超えていることです。捕まって育てられているマウスの年齢はせいぜい4歳です。一方ハダカデバネズミはその大きさから、6年を超えて生きないだろうと推測されてきました。しかし、あるものは30歳を超え、さらにその歳でも雌には生殖機能があったのです。

比較生物学者のロシェル・ブッフェンスタインは30年以上に渡りハダカデバネズミのデータを記録しています。

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彼女が発見したものは驚くべきものでした。ハダカデバネズミは老化に関する数理的公式であるゴンペルツの法則(Gompertz law)に反するようなのです。1825年にイギリスの数学者、ベンジャミン・ゴンペルツは年齢によって死亡率が指数関数的に上がることを発見しました。例えば人間では、30歳を超えると、約8年ごとに死亡率が倍になります。この法則は成人後の全ての哺乳類に当てはまるものです。

しかし、この傾向はブッフェンシュタインの実験室で飼っているネズミには見られませんでした。6ヶ月で性的に成熟した直後、各ネズミの1日の死亡率は1万分の1より少し多い位でした。その死亡率は生涯に渡って同じで、すこし下がりさえしました。ブッフェンスタインは今週elifeにそう報告しました。「私にとってこのデータは今までに得たどのデータよりもエキサイティングです。私たちの哺乳類生物学に関する知識の全てに反しています」

Credit: CC0 Creative Commons

研究によって、ハダカデバネズミが活発にDNA修復を行っており、タンパク質を適切に折りたたむのを助けるシャペロンも高いレベルにあることが示されています。「ハダカデバネズミはダメージを蓄積するよりも、家の中を本当に整頓されて綺麗な状態に保っているのだと思います」ダメージが蓄積すると、老化に伴って身体的な劣化を引きおこします。

しかし、フィンチはこのデータを過剰に解釈することに対して警告しています。なぜなら、ほとんどの個体は殺されるか、他の研究室に移動しており、この研究で15歳に達した個体は50に満たないからです。ブッフェンシュタインの研究室で最も長生きで今も生きている個体が35歳です。より多くのそして歳をとったハダカデバネズミについて死亡率が本当に変わらないのか調べる必要があります。しかしブッフェンシュタインは、このデータが哺乳類や他の動物で見られる典型的なパターンに当てはまらないことをシンプルに表していると言います。「もしどのようなものであれ齧歯類の老化研究を見るなら、100匹分のデータがあればゴンペルツの老化を見るのに十分でしょう。私たちには3000ものデータポイントがありますが、この法則は見られません」

老化が起きる可能性も未だにあります。しかしそれは、普通の哺乳類が示すものよりもずっと遅いでしょう。とマギャルスは指摘します。「ハダカデバネズミが老化しない動物であると言うのは早計だと考えています」実際、現在の大きな謎は20歳、30歳以上のハダカデバネズミの中で何が起こっているのかです。ドイツのイエナにあるライプニッツ老化研究所の生物学者マティアス・プラッツァーはいいます。「その後老化が急速に起こるかもしれません。ロシェル・ビュッフェンシュタインでさえ、これについてはデータを持っていません」しかし、研究所のハダカデバネズミの世界で最も大きくて古い集団のデータが利用可能になったことをプラッツァーは喜んでいます。

 

via: Science/ translated & text by Nazology staff

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